21世紀の世界文学30冊を読む 作者:都甲 幸治発売日: 2012/05/01メディア: 単行本 世界文学、と称しつつ紹介されているのは英語の小説、特にアメリカ中心。著者もそれを気にしているようで、「はじめに」であれこれ言い訳する。英語も大してできないし(まあこれは謙遜だろうが)、その他の言語はほとんど初歩程度。でも、それでもここで紹介されているのが世界文学だといえるんだって。なぜかといえば: 本書で選んだ三十冊はいずれも、アメリカ合衆国に関係が深い。そしてこの一〇年とは、9/11の事件以来アメリカが世界で暴れ回り、グローバリゼーションの一層の進展とともに英語帝国主義が猛威をふるった時代だった。 だから、アメリカ中心の英語の小説の話をするだけでも、世界(に関係のある)文学といえるのだ、というわけ。 が……少しでも世界の政治経済文化を見ている人間なら――The Economist、いや思いっ