「スーパーマリオやろうぜ」エリックがなだめるように言う。 ぼくはかぶりを振る。 「あれはフェイクすぎる」 「裏にバスケのコートがあるじゃんか。ちょっとシュートでもしようぜ」 ぼくはかぶりを振る。 あれはリアルすぎる、とぼくは思う。 ――マイケル・W・クルーン、武藤陽生・訳『ゲームライフ ぼくは黎明期のゲームに大事なことを教わった』みすず書房 ぼくは今、いつ死んでしまうかわからないリアルなハーフライフです。 ――いとうせいこう『ノーライフキング』河出文庫 『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』。 日々、映画のリッチさへと接近しつつあるビデオゲームの画面*1に対し、映画の側が繰り出してきた一つの回答がここにはある。 Q. 映画がリッチなゲームに勝つにはどうすればよいか? A. さらなるリッチな画面を出せばよい。 たしかに、先月で六歳(人間でいえば六十歳)を迎えた Nintendo Swit