なんかげつか まえに 町田康(まちだ・こう)さんの 『宿屋めぐり』を よみました。きおくが あいまいですが、おもいだしながら かきますと、たしか こんな はなしだったと おもいます。 主人公の おとこは、かつて 「げんじつの せかい」に いたのだけれど、ひょんな きっかけから 「ニセの せかい」に まよいこみます。とはいっても それは、この ものがたりの 一人称の かたりてでもある かれが 「そう おもっている」ということに すぎません。じっさいのところ、かれの さまよっている せかいが、ほんとうに 「ニセの せかい」なのかどうか、かれじしんにも、また よみてにも たしかめようが ありません。「ひょっとすると、じぶんが ニセの せかいと おもっている いま いる せかいが、げんじつなのかも しれない」。主人公の あたまにも ときおり そんな うたがいが よぎったりもします。 で、かれは そ
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