珍しいことなのだが、この前の土日は帰省した長女が、私の外来を見学した。午前中の通常の診療では、次女が私の外来を手伝っている。色々なことを教えているが、私は教科書的な話は全くしない。実際のデータを見ながら、議論をする。私も家内も採血や迅速検査は、すべて自分で行う。外注しなくてはならない検査も、データは詳しくチェックする。 次女に教えていることは、「臨床の場では、予想もしないことが起こる」ということだ。「ワクチンを打ち間違えに注意せよ」とも。新しいワクチンは注射器に充填されていて、バイアルから注射器に吸う作業は少なくなったが、私も家内もこの吸う作業を自分で行っている。人に任せたことはない。それでも接種ミスは起こる。 実際に私も経験がある。三人兄弟が全く違う予防接種で来院した。インフルエンザ、日本脳炎、DPTの追加接種であった。インフルエンザワクチンを注射器に吸って接種しようとした直前に、お母さ