冬期オリンピックが開催されるソチとコーカサス地方の複雑な歴史 前半 2月7日からロシアのソチで冬期オリンピックが開催されます。ソチでは4万人もの兵士や警官が厳重警備しており、さらに開催期間中は無人機が空から偵察を続け、ミサイル迎撃システムも配備されるようです。 ソチから近いチェチェン共和国のイスラム過激派によるテロを警戒するためで、実際に昨年末には近くにあるロシアの都市・ボルゴグラードで爆破テロが相次ぎ、多くの犠牲者が出ました。 ところがソチを含むコーカサス(ロシア語ではカフカス)地方の歴史は、そんな単純なものではありません。せっかくソチでオリンピックが開催されるので、この地方の歴史や複雑な民族紛争の一端を解説します。できるだけ簡略に、前後半の2回にまとめます。 Wikipediaに掲載されている地図をもとに、東西南北ではなく上下左右で説明しますと、地図の左が黒海、右がカスピ海です。その間