東日本旅客鉄道(JR東日本)の株主総会は毎年、入口付近に警備員や社員が並び、会場一帯は物々しい雰囲気に包まれる。6月24日、東京都千代田区紀尾井町にあるホテルニューオータニで開かれた今年の総会も、例年どおりの緊張感が覆っていた。 10時に始まると、「監査報告」「対処する課題」「事前の質問に対する回答」と議事が続いていった。が、開始10分あたりから、場内では一部の株主が議事進行の方法をめぐって怒号を上げ始めた。議長役の冨田哲朗社長は、「ご静粛に」と何度も株主に自制を求めた。この流れも毎年のように繰り返される光景だ。 社長が脱線事故を謝罪 前回より100人多い約2000人が出席し、株主からは海外展開や株主還元方針、技術継承や安定・安全輸送への取り組みといった、質問が出た。また、川崎駅で起きた脱線事故については、社長自ら「お客様や株主の皆様にご心配、ご迷惑をおかけしたことを申し訳ないと思っている