米国の半導体製造の復活に向けて補助金の水準や研究資金の割り当て方法を検討する議会が開催される中、連邦政府の助成金と税控除を受けるためのロビー活動が活発化している。ただし、米国の半導体製造の復活に向けた取り組みは超党派から支持を得ているにもかかわらず、観測筋からは、「米国の工場新設に助成するよりも、次世代半導体技術に焦点を当てた研究の方が投資対象として優れている」という見解が示されている。 米国の半導体製造の復活に向けて補助金の水準や研究資金の割り当て方法を検討する議会が開催される中、連邦政府の助成金と税控除を受けるためのロビー活動が活発化している。 米国の厳格な輸出規制によって本格化したこれらの取り組みは、製造工場の設備改革や、新しい工場の建設といった“対抗措置”とともに、中国の半導体産業の強化を阻止することを狙いとしている。 ただし、米国の半導体製造の復活に向けた取り組みは超党派から支持
浦上 早苗 [経済ジャーナリスト/法政大学IM研究科兼任教員] Aug. 04, 2020, 10:30 AM 国際 12,911 トランプ米大統領は8月3日(現地時間)、中国企業バイトダンス(字節跳動)が運営するショート動画「TikTok」が9月15日までに米企業に買収されなければ、アメリカでの事業を禁止すると発言した。 また、米マイクロソフトなどによる買収を容認し、買収が成立した場合は、米財務省に利益がもたらされる必要があるとの考えを示した。 同日(日本時間)にはホワイトハウスでTikTokとマイクロソフトの責任者による買収協議が行われたとの中国メディアの報道もあり、米政権が企業活動に露骨に介入する前代未聞の事態となっている。 そんな中、バイトダンスの創業者でCEOの張一鳴(Zhang Yiming)氏が全従業員に宛てた手紙の全文が中国のSNSで流出し、拡散している。その長い文面には、
アメリカが本気で焦り出した いやはや、アメリカと中国が大変なことになってきた。 アメリカが7月21日、ヒューストンの中国領事館閉鎖を命じたかと思えば、中国は24日、成都のアメリカ領事館閉鎖を命じた。期限はそれぞれ72時間以内だ。これほど激しい米中の攻防は、1979年に国交正常化を果たして41年で、初の事態である。 先週のこのコラムでは、ドナルド・トランプ大統領の最側近の一人で、対中強硬派として知られるマイク・ポンペオ米国務長官が7月13日に発表した、「南シナ海の海洋主張に対するアメリカの立場」と題する声明の全訳を載せた。その上で今秋、アメリカが南シナ海に中国が建設した人工島を空爆する可能性について詳述した。 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/74262 ところが、ポンペオ長官によれば、中国批判は「4回シリーズ」なのだそうで、ロバート・オブライアン国家
ジョン・ボルトン前米大統領補佐官(国家安全保障担当)の回顧録が出版されて、側近ならではのエピソードに注目が集まっている。 米国の対中政策を考えるうえでトランプ米大統領と“オール・ワシントン”を分けて考えるべきであること、トランプ大統領自らの選挙対策としての単純な物差しは、貿易問題でのディールでの成果を重要州の支持層にアピールできるかどうかが判断基準であることなど、このコラムでもすでに2年前からたびたび指摘してきた(関連記事:関税合戦は序の口、深刻度増す“米中経済戦争” 2018 年7月11日)。 こうしたことは今日では共通認識となっており、ボルトン氏の回顧録で書かれている内容自体は驚くものではない。しかしそれを側近として直接目の当たりにした人物の言葉で、具体的なエピソード付きで裏打ちされたことに意味がある。 私も彼がブッシュ(子)政権時の国務次官であったとき、北朝鮮への密輸摘発で直接やり取
6月30日、中国・全人代常務委員会は香港の治安維持法案である国家安全法案を全会一致で可決し、香港基本法の付属文書に追加することを決定した。同法は、その日のうちに、習近平国家主席が署名し、即時発効した。現地からNippon Wealth Limited, a Restricted Licence BankのCIO、長谷川建一氏が解説する。 香港基本法の例外規定を使って捩じ込まれた法案 7月1日は、香港が英国から中国に返還された23年目の記念日だったが、この日に合わせて、法案を成立させることで、新たな統治方針と中国政府の強い意思を示す意味合いもあるだろう。 7月1日に香港で開催された23回目の記念式典で、林鄭月娥(キャリー・ラム)香港行政長官は、国家安全法の成立について、中国の主権と領土保全、安全を守るためのメカニズムが改善されたことになり、歴史的な一歩であると語った。確かに、国家安全法は、香
ジョン・ボルトン前米大統領補佐官(国家安全保障担当)の回顧録が出版されて早くも1週間がたった。ごく最近の主要外交問題を、これほど詳細、かつ率直に書いた回顧録は恐らく前例がないだろう。 600ページ近い大著だから、短時間で全文を精査することは英語を母国語とする記者でも一苦労。さらに、内容がアジア、欧州、中東と多岐にわたることから、同書に関する報道ぶりは国によって大きく異なっている。 例えば、米国関連では、 ●トランプ氏は大統領の「適性」なし ●米財務長官、対中制裁などがドル優位を弱めると懸念 ●米連邦地裁、出版差し止め請求を棄却 韓国では、 ●大統領府、「回顧録のかなりの部分は事実を大きく歪曲(わいきょく)している」 ●「今後の交渉の信義を非常に深く傷つけかねない」と批判 ●米朝会談を最初に提案したのは「金正恩(キム・ジョンウン)委員長だった」と韓国政府が反論 一方、日本では ●ボルトン回想
米上院少数党院内総務のChuck Schumer氏と、その他2人の民主党議員が、TSMCが米国アリゾナ州に建設を予定している半導体工場のプロジェクトについて、差し止めを要求した。 米上院少数党院内総務のChuck Schumer氏と、その他2人の民主党議員が、TSMCが米国アリゾナ州に建設を予定している半導体工場のプロジェクトについて、差し止めを要求した。 このような議員たちの動きは、米国EE Timesが推察していた通り、TSMCに対して政治が介入していることを示す、さらなる証拠だといえる。 Schumer氏らは2020年5月19日(米国時間)に、米商務長官のWilbur Ross氏および米国防長官のMark Esper氏宛に書簡を送付した。この2人のトランプ政権閣僚に対し、関連当局や歳出委員会が概要について十分把握するまでは、あらゆる交渉や議論を中止することを要求したという。資金調達や
トランプ米大統領が10月7日にいったんシリアからの米軍撤退を決めたのを機に、「その他の同盟・友好関係に波及することはないか」と懸念する声が上がり始めた。台湾は? 韓国は? トルコは? アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のザック・クーパー研究員に聞いた。 (聞き手 森 永輔) ドナルド・トランプ米大統領が10月7日にいったんシリアからの米軍撤退を決め、中東は緊迫した事態に陥りました。「過激派組織『イスラム国(IS)』を相手にともに戦ったクルド人勢力を見捨てるのか」と内外から批判を浴びています。一連の動きは、トランプ政権が同盟戦略を修正したことを意味するのでしょうか。 クーパー:トランプ大統領は対シリア政策を変更しました。その点は確かです。ただし、これが同盟戦略を広く変更するシグナルであるとは考えていません。 ザック・クーパー(Zack Cooper) アメリカン・エンタープライズ研
米軍のシリアからの撤退を前提にトルコ軍がクルド人居住区を攻撃した。これに対しては既に内外から多くの批判が出ているが、トランプ大統領は米兵の安全確保のためとして計画を変更するつもりはない。一方、トランプ大統領はトルコに経済制裁を課すと発表した。これは同大統領が2016年の選挙戦のときから掲げてきたアメリカ・ファースト政策の基本線であり、今後も変わることはないだろう。 米国で2度目の「アメリカ・ファースト」 自国第一主義のポピュリズム台頭について、日本ではトランプ政権よりもブレグジットの欧州が先だったと考えるらしいが、これは誤りだ。実際、アメリカ・ファーストという考え方は1940年に米国で始まった。当時の舞台は、80万人の会員を持つ委員会組織(America First Committee=AFC)だった。 AFCは、ナチス・ドイツが欧州での占領国を拡大する中、ルーズベルト大統領による第2次世
日米交渉はまたもや“守り一辺倒”になってしまったようだ。しかも、世界貿易機関(WTO)のルールに違反する協定を締結させられる可能性が高い。 日米は貿易交渉で基本合意に達し、9月中の署名を目指すことになった。交渉責任者の茂木敏充経済再生担当大臣は「国益を守り、バランスの取れたとりまとめができた」と胸を張る。はたしてそうだろうか。 内容はまだ公表されていないので報道をベースに論じざるを得ない。その報道の目は2点にばかり注がれている。1点目は米国から輸入する農産品に対する関税引き下げを環太平洋経済連携協定(TPP)の範囲内に収められるかどうか。2点目が米国による日本の自動車に対する追加関税を回避できるかどうかだ。 これは日本側がこの2点に交渉の勝敗ラインを設定したからである。しかしこうした2点を交渉の目標設定にしたこと自体、妥当なのだろうか。 まず結論を言おう。 その結果、いずれも米国の思惑通り
トランプ米大統領と金正恩委員長が事実上の第3回首脳会談を行った。ツイッターのメッセージを端緒として、わずか1日で、実務者協議の再開にこぎ着けた。朝鮮半島問題に詳しい武貞秀士氏は「今後、非核化協議は断簡的に進む。日本の存在感は薄くなった」と評価する。 (聞き手 森 永輔) ドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩委員長が、南北軍事境界線にある板門店で会談し、非核化をめぐる実務者協議を再開することで合意しました。これをどう評価しますか。 武貞:事実上の、第3回首脳会談となりました。トランプ大統領は、2月の首脳会談が合意なしに終わったあと第3回首脳会談を開きたいとずっと考えていました。ただし、先に秋波を送ったのは、金委員長の方でした。6月上旬にトランプ大統領に親書を送り、トランプご大統領が返事の親書を送ったのです。 武貞 秀士(たけさだ・ひでし)氏 拓殖大学大学院客員教授 専門は朝鮮半島の軍事
安倍首相が6月12~14日にイランを訪問し、同国の首脳と会談した。「訪問は成果が上げられなかった」との見方がある一方で、日本エネルギー経済研究所の坂梨祥氏は、ハメネイ師が安倍首相に「あなたとは話をしよう」と語った点を高く評価する。その理由はなぜか。今後、どのような展開があり得るのか。 (聞き手 森 永輔) 安倍晋三首相が6月12~14日 にイランを訪問し、最高指導者のアヤトラ・アリ・ハメネイ師およびハッサン・ロウハニ大統領と会談しました。同国と米国との緊張を緩和するのが目的でした。米国は、イランと米英独仏ロ中国が締結した核合意から離脱し、イランに「最大限の圧力」をかけ続けています。坂梨さんは、このイラン訪問をどう評価しますか。 坂梨:安倍首相を批判する向きもあります。ハメネイ師が安倍首相に対し「トランプ氏は意見交換するにふさわしい相手ではない」と語り、米国との対話を拒否したのを重視してのこ
米中摩擦の“主旋律”と“通奏低音”が一挙に音量を増してクライマックスの展開になってきた。米国の対中戦略については、トランプ米大統領による報復関税合戦の“主旋律”と米国議会、政権幹部、情報機関など“オール・アメリカ”による冷戦モードの“通奏低音”に分けて見るべきだが、いよいよ両者が合体・共鳴してきた。 トランプ大統領による派手な報復関税合戦は表面的には非常に目立ち、耳目を集めている。これが私の言う“主旋律”だ。直前まで合意寸前と見られていた米中貿易交渉が一転、暗礁に乗り上げた。米国は2000億ドル分の中国製品に課す第3弾の制裁関税を10%から25%に引き上げ、さらに第4弾として制裁関税の対象を中国からの全輸入品に広げることを表明した。合意に向けて楽観論が市場を含めてまん延していただけに、衝撃を与えている。 今後、仮に急転直下合意があったとしても、それは“小休止”にすぎず、2020年の大統領選
きたの・よしのり/1970年長野県生まれ。モスクワ在住24年の国際関係アナリスト、作家。その独特の分析手法により、数々の予測を的中させている。1996年、日本人で初めて、ソ連時代「外交官・KGBエージェント養成所」と呼ばれたロシア外務省付属「モスクワ国際関係大学」(MGIMO)を卒業(政治学修士)。1999年創刊のメールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」は現在読者数3万6000人。ロシア関係で日本一の配信部数を誇る。主な著書に「隷属国家日本の岐路」(ダイヤモンド社)、「プーチン最後の聖戦」、「日本自立のためのプーチン最強講義」(共に集英社インターナショナル)など。 ロシアから見た「正義」 “反逆者”プーチンの挑戦 ウクライナ問題などで欧米に楯突き、“反逆者”となったプーチン・ロシア大統領。しかし、ロシア側から物事を眺めれば、ウクライナ問題で暗躍する欧米側の思惑など、日本で報道されている“
2月下旬から3月半ばまで約3週間、欧米各国を回り、有識者と懇談してきた。今回はそこで得た感触を報告する。 高まる米政権の反中感情、中国の譲歩受け入れず まず米国について。俯瞰(ふかん)すると、米国における対中感情は非常に悪化している。トランプ政権はもちろん、議会も対中強硬姿勢を強めている。この点において民主党、共和党に差はない。いずれの議員も選挙民の意向を気にしている。すでに2020年の選挙が視野に入ってきている。メディアも同様だ。彼らは政権や議会のメンバーから話を聞く。当然、その影響を受ける。比較的、親中だった産業界も政府や議会ほど反中ではないが、ある程度態度を変えつつある。 対中強硬派の人々は、中国がどれほど譲歩しようと、一切受け入れる気がないといった様相だ。中国で3月に開催された全国人民代表大会(全人代、日本の国会に相当)の政治活動報告において、李克強首相は「中国製造2025」に触れ
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ゴラン高原に関するイスラエルの主権を承認する文書に署名するトランプ大統領(左)。中央に立つのはイスラエルのネタニヤフ首相。その左後方はトランプ大統領の娘婿のクシュナー氏。政権の中東外交のカギを握る親イスラエル派(写真:ロイター/アフロ) 米国のドナルド・トランプ大統領は3月25日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相との首脳会談に合わせ、イスラエルが占領するシリア領ゴラン高原におけるイスラエルの主権を認める宣言に署名した。 20年以上前、シリアを訪問したときのことだ。そのゴラン高原のそばで某国軍事関係者と話をしたことがある。その関係者が「こんなところを奪われるなんて信じられない」と、ぼそりとつぶやいたのを今でも鮮明に覚えている。 軍事的にいうと、ゴラン高原は、守るに易し、攻めるに難し、いわゆる難攻不落の自然の要害という地形らしい。行ったことのあるかたはご存じと思うが、イスラエル側からみる
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