主要20カ国・地域(G20)首脳会議が閉幕した。日本の大方のメディアは“米国の反対で「保護主義と闘う」との文言を首脳宣言から削除され、G20の機能不全、劣化は深刻だ”との論調だが、果たしてそうか。むしろ、中国に軌道修正を迫るプロセスは着実に進展している。 “米中が激しく対立して首脳宣言を出せないという最悪事態は免れたが、米国の反対で「保護主義と闘う」との文言を首脳宣言から削除され、G20の機能不全、劣化は深刻だ” 果たしてそうだろうか。 海外紙と比較すると、日本のメディアのパターン化した見方、「木を見て森を見ず」に危うさを感じる。 米国の「保護主義と闘う」の削除の主張だけを見るのではなく、中国の対応も含めた、米中の駆け引き全体を見なければいけない。 真相は中国の危機感にある! 真相はこうだ。 昨年のハンブルグでのG20首脳宣言では「不公正な貿易慣行を含む保護主義と闘う」との文言で合意した。
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