ふくおか・しんいち ─────────── 1959年、東京生まれ。京都大学農学部卒業。米国ロックフェラー大学博士研究員、京都大学助教授等を経て、青山学院大学理工学部化学・生命科学科教授。分子生物学専攻。専門分野で論文を発表するかたわら、一般向け著作・翻訳も手がける。『プリオン説はほんとうか?』(講談社出版文化賞受賞)、『生命と食』など著書多数。『生物と無生物のあいだ』(サントリー学芸賞受賞)はベストセラーに。近著『動的平衡』も好評。7月に最新刊『世界は分けてもわからない』が刊行された。 撮影 荻 由美佳(東京・築地で。2009年6月3日。以下同) 生物と無生物のあいだにある彼我の差は何か―― 分子生物学者・福岡伸一さんが思い至ったのが、「動的平衡」というキーワードだ。 機械論的な生命観の対極として、生命のありようはどのように読み解かれるのだろう? ――分子生物学研究の道に進まれたのは