九州電力の前社長で、玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)の再稼働を巡る「やらせメール」問題の責任をとって昨年3月末に退任した真部(まなべ)利応(としお)顧問(68)が、子会社の九州通信ネットワーク(QTNet、福岡市)の取締役会長に就任することが明らかになった。 親会社の社長経験者が子会社に「天下り」する異例の人事で、21日のQTNetの株主総会と取締役会で正式に就任する予定。九電顧問は非常勤(無報酬)として続ける。 QTNetは現在、会長職を設けておらず、株主総会で定款を変更して新たにポストを設ける。九電は「(真部前社長の)経験や人脈を生かしたいという、先方の要請に応えた」と話している。 九電は昨年11月に電気料金の値上げを申請した際、真部氏を含む社長経験者の相談役ら3人の報酬として年間計8900万円を原価に計上した。しかし、経済産業省の審査で高額との批判が強く、料金原価に認められなかった経