【ジャカルタ佐藤賢二郎】世界最多の約2億人のイスラム教徒を抱えるインドネシアで、イスラム強硬派によるキリスト教徒への暴行事件や教会の強制閉鎖といった事件が相次いでいる。地元メディアによると、連立与党内にイスラム政党を抱えるユドヨノ政権の内部にもイスラム強硬派に共鳴する勢力があるといわれており、宗教対立の激化が懸念されている。 ◇牧師や信者を襲撃 ジャカルタ近郊の西ジャワ州ブカシでは12日、プロテスタント教会の牧師と信者が武装集団に襲撃された。信者がナイフで腹を刺されて重傷を負い、牧師も頭部を殴られて負傷した。 ユドヨノ大統領は同日、警察当局に早急な容疑者逮捕を指示。15日までに「イスラム防衛戦線」(FPI)のメンバー10人が逮捕された。FPIはイスラム強硬派の中でも最も急進的で、キリスト教徒や少数派イスラム教団への攻撃を続けている。06年には「イスラムの教義に反する」としてインドネシア版「