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ブックマーク / davitrice.hatenadiary.jp (5)

  • ネットリンチと「非難」の問題 - 道徳的動物日記

    ルポ ネットリンチで人生を壊された人たち (光文社新書) 作者:ジョン・ロンソン 光文社 Amazon 『ルポ ネットリンチで人生を壊された人たち』から引用する*1。 最初に何人かが「ジャスティン・サッコは悪人だ」と意見を述べた。その何人かに対して即座に称賛の声があがった。かのローザ・パークス(訳註:バスに白人席と黒人席があった時代に、運転手に注意されても白人に席を譲らなかった黒人女性)のように、差別に敢然と立ち向かった人として扱われたのだ。すぐに「称賛」というフィードバックがあったことで、称賛された側はそのままの行動を継続する決断を下した。 (p.480) 「称賛」というキーワードは、ネットリンチやキャンセル・カルチャーが起こる理由を理解するうえで重要なポイントになるように思える。 インターネットの世界では忘れがちだが、わたしたちが生きる日常の世界では、「非難」とは必ずしも褒められる行為

    ネットリンチと「非難」の問題 - 道徳的動物日記
    vitamincba
    vitamincba 2021/10/16
    「対立の構図は「被害者:加害者」から「集団:個人」に移行する点は看過されるべきではない」
  • 左派の思想と自己啓発が相反する理由(読書メモ:『生き抜くための12のルール:人生というカオスの解毒剤』) - 道徳的動物日記

    人生というカオスのための解毒剤 生き抜くための12のルール 作者:ジョーダン・ピーターソン 発売日: 2020/07/07 メディア: Kindle海外では大ベストセラーになったであり、日でも熱心に薦める人が何人かいたので、ほしいものリストから送ってもらった。 しかし、結論から言うと、かなり期待はずれ。 著者のジョーダン・ピーターソンは心理学者で、前著の Maps of Meaning: The Architecture of Belief は神話や宗教に関する著作であるようだ。 そして、「インテレクチュアル・ダーク・ウェブ」で「反ポリコレ」な論客としても有名である*1。 『生き抜くための12のルール』はタイトル通りの自己啓発書であり、ポリコレとか政治とかが直接的には関わらないが、後述するように、そこで書かれている人生指南の内容は左派的な思想とは相反するものだ。 そして、ビジネス書

    左派の思想と自己啓発が相反する理由(読書メモ:『生き抜くための12のルール:人生というカオスの解毒剤』) - 道徳的動物日記
    vitamincba
    vitamincba 2020/12/30
    「左派の思想は「被害者性の文化」や他責志向と結びやすく、その主張に賛同する人の精神や生活によからぬ影響をもたらす、という副作用があることは意識されるべきだろう」
  • 「叩いていい存在」を叩く行為と、ネット民の幼児性について - 道徳的動物日記

    oriza.seinendan.org 平田オリザ騒動についての雑感。 ある有名人が人の癇にさわるようなことを言う。わたし自身としてもその発言を見聞して不愉快な気持ちになり、身内との会話でその話題を出して文句を言ったり愚痴ったりすることもあれば、SNSにネガティブな意見を書き込むこともある。 とはいえ、その人物を批判して糾弾することがネット上の潮流となっていることを知れば、自分からわざわざその人物を批判することはほとんどない。すでに他人が言ったり書いたりしていることを再生産することは意味のないことであるからだ。他の人たちが書いている意見がわたしのものとは異なっていて、自分の抱いている意見や感情がまだ誰にも代弁されていないな、と思ったら自分から表現する場合もあるけれど。 しかし、ある人がネット上で「パブリックエネミー」と扱われはじめて、その人に対する批判意見なら何を言ってもいいという段階にな

    「叩いていい存在」を叩く行為と、ネット民の幼児性について - 道徳的動物日記
  • 「自己責任論」を批判するのはいいけれど…(読書メモ:『高学歴女子の貧困』) - 道徳的動物日記

    学歴女子の貧困 女子は学歴で「幸せ」になれるか? (光文社新書) 作者: 大理奈穂子,栗田隆子,大野左紀子,水月昭道 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2014/02/18 メディア: 新書 この商品を含むブログ (14件) を見る 貧困状態にある高学歴女性が現状を綴る私的なレポートやエッセイ的な文章と、高学歴な女性が男性よりも貧困になりやすい構造や女子と高等教育との歴史などについての分析を行う文章などが混在する。 タイトルは「高学歴女子」に的を絞っており、女性ならではの苦労や制度的・慣習的な障壁について書かれている部分が書のメインとはなっているのだが、博士号の取得のしづらさや研究職への就業の困難さなど、男女問わず高学歴全般に関わる問題も扱われている。そういう点では、生活や就労に苦しんだことのある高学歴男性であっても、我が身のことに引き付けながら読めるかもしれない。 博士課程に進

    vitamincba
    vitamincba 2019/09/16
    「労働や経済の問題を論じるうえでは個人レベルに問題を矮小化する自己責任論は筋悪」「自分の問題について考えるときには多少は自己責任論を受け入れるくらいのスタンスの方が、真っ当で健全な考えができるものかも
  • 「かわいそうランキング」についての雑感 - 道徳的動物日記

    一年くらい前から、Twitterやはてブなどで「かわいそうランキング」という単語を目にする機会がある。TLなどに流れてくるのをざっと見た感じでは、「反ポリコレ」「反フェミニズム」、「弱者男性論者」といったクラスタの人々が特によく用いる単語であるようだ。「かわいそうランキング」という言葉のそもそもの提唱者は白饅頭氏であるようだが(有料記事であるため私は未読)、白饅頭氏の議論をまとめた街河ヒカリ氏の定義によると、「かわいそうランキングとは、弱者救済の優先順位や弱者救済にかける質量が決定されるときに使われる序列であり、人から「かわいそう」という感情を抱かれる弱者ほど上位に置かれ、「かわいそう」という感情を抱かれない弱者ほど下位に置かれる。また、かわいそうランキングには人の認知バイアスが伴う。」という現象や概念を指す単語であるらしい。 人々が弱者を救済する運動を行う際や社会問題について考慮する際、

    「かわいそうランキング」についての雑感 - 道徳的動物日記
    vitamincba
    vitamincba 2018/01/29
    「感情を排して理性的に考えれば、自国民の救済を外国人の救済よりも常に優先する理由はない」「人間の救済を動物の救済よりも優先する理由はない」
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