麻薬は暴力と腐敗を招き、人類にとっては古くから脅威だった。麻薬をなくすための第一歩となるのが、人びとの麻薬消費量を減らすことだ。そこで目下、南米で注目されているのが、麻薬のうち最も幅広く用いられている大麻の合法化だという。ブラジルのカルドーゾ元大統領が、麻薬との戦いの厳しい現実と新たな政策パッケージについて持論を展開する。 フェルナンド・エンリケ・カルドーゾ (Fernando Henrique Cardoso) ブラジル元大統領1931年リオデジャネイロ生まれ。蔵相時代、インフレ抑制に手腕。95年から2期8年ブラジル大統領を務めた。現在は麻薬問題に精力的に取り組む。 PHOTO: REUTERS/AFLO 麻薬との戦いは負け戦だった。 2011年は、「公衆衛生」「人権」「良識(コモンセンス)」に基づく新たな麻薬対策の政策パッケージを追求するため、懲罰的なアプローチに別れを告げる年となる。
バラク・オバマ米大統領が「この世で最も人気のある政治家」と評した人物が来週引退する。「ルラ」という短い呼び方で知られているブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領が、約80%という非常に高い支持率を維持したまま2期8年の任期を終えるのである。 このため、10月3日に行われるブラジル大統領選挙は将来への道しるべになると同時に、過去を祝福する機会となるだろう。大本命はルラ氏自らが後継者に選んだジルマ・ルセフ氏で、当選が確実視されている。 ルラ大統領はネルソン・マンデラ氏のように世界的な名声を得たわけではなく、現世の聖人と見なされているわけでもない。 しかし、ルラ氏とマンデラ氏の神話には共通点がある。ある個人が逆境を克服していく感動的な過程が1つの国家の目を見張る物語と融合し、1人の人間が国家全体の変容の力強いシンボルに転化したという点である。 国家全体の変容のシンボルとなったルラ大統
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