リーマン・ショックで日本経済は輸出製造業を中心に大打撃を受けたが、国内産業で地味ながら堅調を維持したのが農畜産業である(口蹄疫問題は予断を許さないが)。そこでは依然として、農協が強力な組織を持つ保守勢力として存在する。 その一方で、「食のブランド志向」を強める新しいタイプの消費者が増加し、その結果「農業ビジネスマン」とも言うべき人々が台頭してきた。彼らは農畜産業を取り巻く金融も新しい時代に導いている。 富士山の麓、作物のネット販売から洒落たフランス料理店に 農畜産業にとって、最大の追い風が「食の安全」ブームである。