<< 前の記事 | トップページ | 次の記事 >> 2008年05月30日 (金)視点・論点 「幸せの経済学――GNPからGNHへ」 明治学院大学教授 辻 信一 ぼくはいつも不思議でした。環境危機というのは実に奇妙な出来事です。人間が自分自身の生存の基盤を壊してしまう。いったいそんなことがなぜ起こるのでしょう。自分で自分の、また自分の子孫たちの首を絞めるようなことを、私たち人間はどうしてやってしまうのでしょうか。 そんなことをするからにはよほどの理由があったはずです。私たちを駆り立てる、よほど魅力的な何か、いったいそれは何だったのでしょう。――ぼくが行き着いた結論、それが「豊かさ」幻想です。 ぼくは、この『幸せって、なんだっけ――「豊かさ」という幻想を超えて』という本で、このことについて考えてみました。 この一、二年、政治家や行政、企業の皆さんも、急に環境問題に熱心になったようにみえます