9人の死者を出した中央高速道路の笹子トンネル崩落事故。この衝撃的なニュースは、日本の社会インフラの老朽化が危機的な状況になっていることを広く国民に印象付けた。 日本の高度成長期を象徴する1964年の東京オリンピック。新幹線、高速道路など、日本中で大規模公共投資が行われ、社会インフラが急速に整備された。夢と希望に満ち溢れた時代だった。 それから、50年。日本社会は停滞から凋落への道を歩み始めている。インフラ老朽化に伴う大事故はそのことを私たちに示した。 既に事故原因として、日常の点検に問題があったことがわかってきた。誰もこんな事故になるとは思っていなかった。福島原発事故と同じ。人間の知恵と洞察力の限界をあらためて思い知らされた。人間は変わらない。 震災後、災害対策を口実に復興予算が全国で流用された。今回の事故でも、「国民の生命・財産を守る」ために公共投資の増額をという声が高まり、選挙活動に利