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ブックマーク / www.data-max.co.jp (22)

  • サロン幸福亭の課題と方向性(前)|Net-IB|九州企業特報

    前回、「サロン幸福亭」を誕生させた意味、行政の対応、住民の意識と抵抗、「まちづくりセンター」の怠慢などを詳報した。今回は、オープンを認めたURの諸事情、オープンまでの経緯、そしてこれからの問題と方向性などに言及して締めくくりとしたい。サロン幸福亭は高齢者の集える居場所である。母体とも言えるのが、千葉県松戸市常盤平団地内にある「いきいきサロン」である。「サロン幸福亭」はその真似、パクリであると公言する。それほどまでにUR常盤平団地の歩んできた歴史に、私自身大きく影響を受けた。自治会長中沢卓実のカリスマ性がすべてである。幾度となく登場するこの名前を抜きに語れない。再度お許しを乞う。 千葉県松戸市常盤平団地が竣工したのは昭和35年。167棟、総戸数5,359、団地人口2万4,000人。当時、東洋一のマンモス団地として評判をとった。「団地族」という憧れの称号を得るために、20倍を超す倍率に挑戦。決

  • 大さんのシニア・リポート~第15回 団地が死んでいく?(後)|Net-IB|九州企業特報

    団地の空き室解消法としてユニークな取り組みを紹介する。板橋区にあるUR高島平団地と近くにある大東文化大学との間で賃貸契約を結んだ。空き室を格安で提供する代わりに、学生が団地自治会の活動に参加して、活性化を図る。高齢化した自治会に、若い人たちの参加は大いに刺激になるだろう。 公営住宅の入居は、相も変わらず高倍率の抽選を経なくてはならない。わたしは数年前、県の住宅課に提案したことがある。「県がUR賃貸の空き室の賃貸契約をURと結ぶ。これを住宅困窮者に貸し出す。これでURも空き室が埋まり、住宅困窮者解消にもなる。抽選で入居者を決めるのだから苦情も出にくい」というアイディア。ただし、県からの回答は今日までない。 ここによく登場する千葉県松戸市常盤平団地の取り組みを抜きに「団地問題」を語ることはできない。昭和35年竣工、築53年の超老朽化団地では、「家賃値上げ反対」「建て替え反対」闘争を30年近く続

  • 大さんのシニア・リポート~第12回 高齢者に優しいダイシン百貨店探訪記(2)|Net-IB|九州企業特報

    特筆すべきは品ぞろえの豊富さだろう。2階の売り場には200種類を超す歯ブラシがズラリ。馬や山羊、豚の毛を使った天然毛歯ブラシはもとより、1925(大正14)年発売の缶入りの歯磨き粉もある。1階の料品売り場には、180種類もの味噌が全国から集められている。50種類の豆腐、30種類の納豆、旬の野菜はもちろん、地方の特産品がところ狭しと棚に並ぶ。2階の日用品売り場にも50種類のトイレットペーパー、珍しい落とし(ちり)紙もある。3階のペットフード売り場は3,000種類の商品で棚が埋め尽くされている。 極めつけは「死に筋商品」の展示だろう。他のスーパーや商店では決して扱わない「売れない商品」をダイシンでは積極的に置く。たとえば洗顔料の「うぐいすの粉」「米ぬか」、昔ながらのねずみ捕り器もある。仏壇も豊富で、木魚セットまである。衣料品や家具、自転車、文具、日曜大工用品と、高齢者の生活を意識した豊富な品

  • 大さんのシニア・リポート~第12回 高齢者に優しいダイシン百貨店探訪記(1)|Net-IB|九州企業特報

    東京都大田区、JR大森駅から歩いて10分のところにダイシン百貨店がある。「カンブリア宮殿」(テレビ東京)はじめ、数多くのマスコミの取材を受けた今注目の百貨店である。お世辞にも垢抜けた外観というイメージからはほど遠く、街中に埋もれるようにしてある百貨店が、なぜこれほどまでに注目を集めるようになったのか。7月10日、うだるような暑さのなか、西山敷(ひろし)社長に直撃取材した。キーワードは「高齢者に優しい百貨店」「超・地域密着経営」である。2回にわたって紹介したい。 JR京浜東北線大森駅西口から線路沿いに池上通りが走る。あまり手を加えられていない歩道には人があふれ、そのうえ上り下りもそれなりにきつい。正直高齢者には優しくない歩道を10分ほど歩くと、そこにダイシン百貨店があった。45年ほど前、大森駅からそう遠くない出版社に勤めていた私は、銀座のデザイン事務所に出かけるときはこの駅をよく利用した。歩

  • 大さんのシニア・リポート~第11回 アンケートに見る理想と現実の差(後)|Net-IB|九州企業特報

    設問(2)終末のために身辺整理をしておくことは大切だと思いますか? 「思う」24名、「思わない」1名、「どちらともいえない」3名、無表記4名。 単純に身の回りの整理という発想で問いかけてみたのだが、これも設問(1)とリンクして、「子どもたちに迷惑をかけたくない」という強い思いが込められていた。たとえば、「残された人が困るから」、「死後業者に処分を委託するにしても、業者という他人の目に触れさせたくないものもある。その場に居合わせる身内(子どもたち)が気の毒」など。「どちらともいえない」と回答した1人は、「整理できずに死ぬ場合もある。この場合身内に迷惑をかけてもいいのではないか。身内のなかには、喜んで片づけてくれる人もいると思う。その人への思い出を先に消してしまうのはいかがなものか」という答えもあった。 親しい人との別れには、当人(亡くなった人)が予期できない思い出というものが介在することも多

  • 家族葬の新しい形「邸宅葬」~(株)ラック「都府楼 清浄庵」|Net-IB|九州企業特報

    冠婚葬祭業の(株)ラック(社:福岡市博多区、柴山文夫社長)が、新しい家族葬のあり方を提案する斎場、「西日典礼 都府楼 清浄庵」(福岡県太宰府市)を、4月1日、オープンした。家族葬の斎場としては、福岡市南区にある「平和 清浄庵」に続く2番目の施設だ。 「清浄庵」は、同社が、葬儀とは何のために、そして誰のために行なうものなのか、原点に返って見つめなおした結果、生まれた。コンセプトは「感謝を形にした葬儀式の提案」「1日1組限定の貸切型邸宅タイプ」「送る人、送られる人との時間を共有できる空間」という3つ。 現代の日における葬儀は、ライフスタイルの多様化にともない様々な形をとるようになった。なかには仮通夜、通夜、葬儀、初七日などの儀式的な要素を取り除き、事務手続き的に行なわれるものもある。思い起こせば、昭和には、ごく当たり前のように亡くなられた方の枕元に集まり、別れを惜しんでいた時代があった。

  • 大さんのシニア・リポート~第9回 行政マンが熱い自治体もあるという話2(後)|Net-IB|九州企業特報

    先日、UR(都市再生機構)のN氏に会った。名刺には「団地マネージャー」とある。N氏の話を聞いて驚いた。わたしの町の某地区にある大規模なUR(賃貸)団地の集会所を一部改築して「ふれあいサロン」を立ち上げ、「誰でも仲間と好きなときに気軽に集える常時開設の場、いつでも自由に参加できる交流拠点」にしようという計画なのである。 驚いた理由は、これが、団地の自治会や関連するNPO法人、ボランティア団体からの要望ではなく、逆にURが計画して団地自治会などに提案するという、これまでとは真逆の発想がN氏の口から発せられたからだ。 千葉県松戸市常盤平団地(UR賃貸)にある「いきいきサロン」開設までの艱難辛苦を思うと隔世の感がある。 昭和35(1960)年竣工の常盤平団地には、自治会が「家賃値上げ反対」「建て替え反対」の闘争を主導して戦い、勝ち得たという歴史がある。当然、UR(旧公団)は敵として位置づけられてき

  • 大さんのシニア・リポート~第9回 行政マンが熱い自治体もあるという話2(前)|Net-IB|九州企業特報

    前回東京都足立区が注目されていることを報告した。「ころつえシニア相談所」「孤立ゼロプロジェクト推進に関する条例」「空き家対策」など、区民、とくに高齢者にやさしい取り組みを矢継ぎ早に提案した。それも一部は国の「手挙げ方式」による支援を受けるという「勇断」を示した。「勇断」といったのは、ほとんどの自治体が手を挙げなかったからだ。それは火中の栗を拾うようなもので、仕事量が増えることを役人は好まない。区内に住む高齢住民が追い込まれていると足立区は判断し、敢えて手を挙げたのである。 高齢者の個人情報を地域の自治会や町内会に提供して、「孤立化」や「孤独死」から高齢(独居)者を守るという発想はかつての行政にはなかった。 個人情報保護法を盾に開示を拒む。個人情報は役所の金庫の奥深く眠ったままにして、日の目を見ることはない。これを行政自ら金庫を開け、個人情報を住民に提供したのである。こうまでしなければ、高齢

  • 大さんのシニア・リポート~第8回 行政マンが熱い自治体もあるという話(後)|Net-IB|九州企業特報

    千葉県松戸市に「すぐやる課」という部署がある。昭和44(1969)年10月に誕生した。「すぐやらなければならないもので、すぐやり得るものは、すぐにやります」というのがコンセプトだ。今もあり、人気部署である。でも、役所というところは「話を聞かない」「動きが鈍い」「無責任」「仕事をしない」と、必ずしも芳しい評判を耳にしないことのほうが多い。その一方で面倒な仕事もなんのその、進んで火中の栗を拾い、問題解決にまい進する行政マンもいるのである。熱いのである。 高齢者は見知らぬ(初対面の)人にいきなり音を話すことはまずない。私の場合も、初対面の人(一般人の場合)には題に入る前に世間話から入る。それも時間の許す限り長々とする。ノンフィクション作家に成りたてのころは、即題に入りたくてかなりイラついたものである。その様子を相手はじっくりと観察している。合格するとその後の取材はスムーズにはかどるが、不合

  • 大さんのシニア・リポート~第8回 行政マンが熱い自治体もあるという話(前)|Net-IB|九州企業特報

    千葉県松戸市に「すぐやる課」という部署がある。昭和44(1969)年10月に誕生した。「すぐやらなければならないもので、すぐやり得るものは、すぐにやります」というのがコンセプトだ。今もあり、人気部署である。でも、役所というところは「話を聞かない」「動きが鈍い」「無責任」「仕事をしない」と、必ずしも芳しい評判を耳にしないことのほうが多い。その一方で面倒な仕事もなんのその、進んで火中の栗を拾い、問題解決にまい進する行政マンもいるのである。熱いのである。 昨年(2012年)11月末、東京都足立区大谷田1丁目団地内に設けられた「ころつえシニア相談所」を取材した。「ころつえ」とは「転ばぬ先の杖」の略称。高齢者のよろず相談所的な役割を担った施設だ。厚労省のモデル支援事業に足立区が手を挙げ、平成23(11)年1月にスタートした。ちょうど丸2年になる。この「手を挙げる」という行為が重要なのである。 「手上

  • 大さんのシニア・リポート~第7回 (超)高層集合住宅の見守りと行政の意識(前)|Net-IB|九州企業特報

    戸外からの目視による「集合住宅の見守り」は、5階建ての中・低層集合住宅までが限界とされている。それ以上の高層・超高層集合住宅では目視での見守りは不可能。1階にある郵便受けやガス・水道検針時の異常(数値)さで判断するしか方法がない。私が主宰する「幸福亭」(高齢者の居場所)では、「ハッピー安心ネット」(高齢者相互見守り)を実施。金をかけず、実効性のある方法として注目を浴びている。 前回は孤独死の歴史と、それに真摯に向かい合う千葉県松戸市常盤平団地の様子を報告した。また、一般の中古マンションでも、資産価値が下がるという理由で、孤独死を隠して販売すると、逆に資産価値を下げる要因となることにも言及した。 マンションの管理組合自体が建物のメンテナンスや管理、維持費などの徴収という仕事(ハード面)以外に、高齢(独居)者や高齢夫婦などの家庭をさりげなく見守ることで、中古マンションを購入しようとする人に「高

  • 【佐藤俊郎氏寄稿】捨て去られた選択肢(2)~死後のデザイン|Net-IB|九州企業特報

    <死後のデザイン(樹木葬)> 3・11の大震災での死者、行方不明者は合わせて1万8,000人を超えている。私は、昨年の東日大震災復興私案(朝日新聞)のなかで、この多くの犠牲者をいかに弔うか、その表現も極めて重要であると述べた。 十数年前の話だが、友人の父親が亡くなった時に、彼は郊外の「自由設計」の墓地を購入した。私が水平の御影石の基盤に、名を刻んだガラス板を垂直に立てたシンプルな墓標をデザインした。霊園業者に見せると「すばらしいですね、いままで見た事がない!」といいつつ、馬脚をあらわした。最後に、やはり石を使うという条件があると言い出した。調べてみると、今や墓石は、大半が中国からの輸入である。その原価たるや知れたものであり、それが3段墓として、とてつもない値段がついている。少子化の時代に親族が未来永劫、墓を管理することは不可能である。かといって立体駐車場のような集約化した共同墓地や、IT

  • 大さんのシニア・リポート~第6回 あなたは"孤独死予備軍"ですか?(前)|Net-IB|九州企業特報

    「ハナ肇とクレージーキャッツ」の桜井センリさんが亡くなった。孤独死だという。そういえば飯島愛、大原麗子、山口美江という女優やタレントも孤独死だった。人は誰でも死を迎えることを知ってはいても、人生の最期が誰にも看取られることなく逝くというのは、いかにも悲しい。しかしながら、孤独死から完全に逃れる術を誰も持つことはできない。孤独死の現状を報告してみる。 2008年7月、フジテレビ「報道2001」にゲストコメンテーターとして出演したときのこと、レギュラーコメンテーターのひとり、評論家の西部すすむさんが、「人間生まれたときも一人、死ぬときも一人」という内容のことを話された。「シリーズ老人漂流」のコーナーで、拙著『団地が死んでいく』をベースに、「集合住宅での孤独死」について話を進めていたときのことだった。 「西部さん、一人で死ぬのは勝手ですが、遺体の処理は大変なんですよ.」と話した。生放送終了後のこ

  • 大さんのシニア・リポート~第4回 高齢者を地域で支えるというけれど2(前)|Net-IB|九州企業特報

    高齢化する街と住民をどのようにしてサポートするか。地域住民はどのように関わればいいのか、関わり方は千差万別。その最新状況を報告している。といっても、全国的に詳報するというわけにもいかない。ただ、(独り住まいの)高齢者、障害者など、いわゆる生活弱者の居場所作りや安否確認、見守りに関してはいくつかに大別される。それをわたしが住む街(埼玉県所沢市並木地区)を中心に報告していきたい。 前回、東京都中野区が「地域支えあい推進条例」をスタートさせたことを報告した。これは高齢住民の孤立化、孤独死からの早期発見のため、名前、年齢、性別、住所、電話番号などを町内会や自治会などに提供し、地域でそこに住む高齢住民を見守ろうという画期的(日初)な条例だった。ただし、発案し推奨した区長や関係者と役所の窓口との間に、正直、若干の温度差を感じている。 問題は中野区にあって、この条例を受け入れた町内会や自治会(強制では

  • 大さんのシニア・リポート~「暴走老人」の選挙戦、かく戦えり(1)|Net-IB|九州企業特報

    は超高齢化時代を迎えようとしている。「高齢社会白書」によると、昨年度65歳以上の高齢者は2,958万人(総人口の23.1%)。団塊の世代が加わる今年度からその割合は急上昇する。一方で、シルバー産業を含んだ「シニア市場」は8兆円にまで膨らみ、この先も最優良市場として期待されている。その陰で多くの高齢者が孤立化を深めている。高齢者が直面している問題を多面的にとらえ、その実情を報告していく。 この話からはじめなければならない。2011年4月、私は、自分が住む埼玉県所沢市の市議選に立候補した。923票を獲得しブービー(定数36、立候補者46人中45位)で落選。66歳(当時)の私を立候補にまで駆り立てたのは何であったのか。それを検証するなかにこの連載をスタートさせた真意がある。 話は7年前に遡る。05年夏、私が住む公的な集合住宅(団地)で2件の孤独死がほぼ同時期に起きた。当時自治会の役員だった私

  • 「過払い金ブーム終焉」の大花火、武富士に1兆円超の返還請求|Net-IB|九州企業特報

    先般破綻した武富士に対する過払い金返還請求は90万7,787件、金額にして約1兆3,700億円となった。200万人程度が返還請求権を持っているとされていたため、おおむね半数程度が返還請求を行なったことになる。かつての消費者金融最大手とはいえ1社で1兆円を超える額には驚きを禁じ得ない。また、消費者金融業界全体ともなればその額は莫大なものとなる。2割程度が弁護士や司法書士の懐に入るであろうことからすれば、頻繁に見聞きする「過払い金のご相談は...」といったCMの多さにも納得がいく。 もっとも、過払い金ブームはすでに過去のものになりつつあり、これはデータの上からも明らかになってきている。福岡県においては、県弁護士会が県下の法律相談センターで多重債務に関する相談を無料化したことを契機に相談が急増し、2007年度には相談件数にして約2万(うち多重債務関係は約1万1,200件)と過去最高を記録していた

  • 『立ち上がれ、高齢者のみなさん。私はあなたたちの味方です』(1)|Net-IB|九州企業特報

    とうとうこんなことになってしまった。 今から3年前の夏、埼玉県所沢市にある県営住宅の集会所を借りて、「幸福亭」を立ち上げた。「幸福亭」とは、高齢(独居)者が気軽に立ち寄れる居場所のこと。目的はズバリ、「孤独死の回避」である。 幸福亭オープンから遡ること3年前、この団地で2件の孤独死が発生した。男性は3日で発見されたが、女性は3週間後、異臭がするという隣人の通報で警察が入り、居間で発見された。遺体は腐敗し、特殊清掃業者がクリーニングしたものの、畳に残された影のような人型は、決して消えることがなかったという。当時自治会の役員をしていた私は、亡くなった女性が住む部屋の新聞受けのふたを開けて、中を覗いた。その瞬間、もの凄い異臭で立ちくらみがした。「孤独死の匂い」としか表現のしようがない。 当時の自治会長に、「孤独死は団地の恥」と提言したものの、「人間の死は役所と坊さんの領域」ととりつく島さえなかっ

  • 葬祭文化と地域コミュニティ守る~(株)天国社・野口代表|Net-IB|九州企業特報

    (株)天国社 福岡会館 代表取締役 野口 宣夫 <柔軟で細やかな演出、伝統も継承> ある葬儀で見送られた男性は、海が大好きだったという。祭壇はヨットや波をイメージさせる飾り付け、会場内には生前のビデオが上映された。受付では、遺品や写真などが"エンディング・ショーケース"に並ぶ。そして霊柩車の出発時には、お気に入りの歌がBGMに―。 かつて、どこでも大体同じスタイルだった葬儀も、価値観の多様化に伴って変化している。実際に前出のような葬儀を行なった「天国社」は、福岡市で業界トップクラスの施行数を誇る。そして野口宣夫代表取締役は、こう話す。「生前は一部分しか知らなかった人も故人の人生を一緒に振り返り、"彼らしいね"と改めて心からお見送りができます。故人の思い出を、弔問した皆さんで共有できるオリジナルな"参加型の葬儀"が、今の時代のニーズであり、私たちの目指す形のひとつです」。 とはいえ通常、葬儀

  • 50億円資産めぐる遺言状真贋裁判―業界、地域名士が渦中に(上)|Net-IB|九州企業特報

    菅内閣が閣議決定した2011年度税制大綱は、「ツジツマ合わせ」「場当たり的」と総じて不評だが、特徴は「取れるところから取れ」の発想。是非はともかく、主たるターゲットになっているのは相続税。折しも未上場ながら業界大手の経営者一族の間で、遺言書の真贋をめぐる裁判が始まる。結果次第で数十億円単位の遺産の行方、さらには相続税問題も再燃するだけに裁判の行方が注目される。 2010年11月下旬、岡山地裁倉敷支部に「遺言無効等確認請求事件」という民事訴訟が起こされた。遺産相続に関わる遺言が有効か否かを争うもので、原告は1人で被告が4人。双方ともに兄弟姉妹関係にあることが氏名でわかる。相続問題が裁判になることは珍しくもないが、その決め手となる遺言自体の真贋、それを争う当事者が業界、地域の著名人であれば注目度は違う。 法廷で対峙するのは、岡山県に社を置く品容器製造メーカー大手の経営者一族。一族とは創業者

  • 少子高齢化の進む社会で冠婚葬祭業に求められるもの~(株)ラック・柴山社長|Net-IB|九州企業特報

    (株)ラック 代表取締役社長 柴山 文夫 日は世界でもまれに見る少子高齢化の進んだ国となりました。それに伴い葬儀のニーズも変化してきているように感じます。従来のような大きな花祭壇を用いた葬儀だけではなくて、家族や近しい方々だけで執り行なう家族葬と呼ばれる葬儀も増加してきております。弊社では家族葬では季節の草木を挿花に用いるなどして、お客様に満足していただけるよう日々精進しております。 家族葬の増加など葬儀の形自体の変化もありますが、葬儀を出す家族がいない方に対して、どのように安心を提供するかということが今後の大きな課題になると考えられます。現在、日には独居老人が450万所帯くらいあると言われております。その方々がひとり寂しく旅立たれるというケースも増えてきているのです。こういった場合でも他の方に迷惑をかけることなく、葬儀やお墓などの心配をなくして差し上げることが私ども冠婚葬祭業の使命で