遂に市販されたグラファイトデザインの2本のフレームが自転車界に称賛と否定と歓迎と困惑を巻き起こす中、安井は「性能がどうのこうの…そんなことを列挙するだけなら小学生にだってできる。その前に僕らは、このフレームに対してやらなければならないことがある。読みにくく、分かりにくくなってもかまわないから」と静かに言った。これは新時代の到来を告げる日本自転車界の至宝か?それとも偉大なる失敗作か?実力は?本質は?存在価値は?安井行生渾身の自転車評論。 (text:安井行生 photo:我妻英次郎/安井行生) 早くもリニューアルしたニューマドン6シリーズがツール・ド・フランスを再び制覇し、完全左右非対称設計でカーボン化したドグマ60.1がファンを驚かせる。デダチャイが衝撃的なフレームで自社ブランドを立ち上げ、デ・ローザはカーボンラインナップを美しく一新。スペシャライズドは早くもターマックをSL3に進化させ