沖縄県で来春から使う中学公民教科書の採択をめぐり、正式な手続きを経た決定が、県教育委員会の介入で覆る前代未聞の事態が起きている。ルール無視のご都合主義的な変更を認めることはできない。文部科学省は県教委を指導し、早急に不法行為を正すべきだ。 沖縄県の石垣市と竹富、与那国両町の3市町では先月23日、教科書を選ぶ「八重山採択地区協議会」を開き、公民には育鵬社の教科書を選定した。尖閣諸島を抱える地域性を踏まえ、領土の記述など内容を重視した結果である。決定を受け石垣市と与那国町は採択手続きを終えていた。 教科書を無償配布するための教科書無償措置法に基づき、複数の教委で協議会をつくり採択するルールがあり、採択権限は協議会にある。協議会の決定に従い各教委が採択するのが通例だが、竹富町だけが反対していた。 県教委の介入は、これをうけたもので、今月8日に3市町の教育委員全員が出席する協議を開き、採択をやり直