政府・民主党幹部から8月末までの退陣を突き付けられながらも、延命に向け政権基盤を強化しようと菅直人首相は執念をみせた。原発事故担当相として細野豪志首相補佐官を起用したほか、自民党議員を一本釣りして復興担当の政務官とする“禁じ手”に出るなど、なりふりかまわずに人事権を行使した。民主党内からは「最後の悪あがき」との反発が一層強まった。自民から一本釣り 27日夜、官邸での記者会見で、首相は退陣のめどとして再生エネルギー特別措置法案など3案の成立を挙げた。条件を明確にしたようにみえるが、首相は相変わらず具体的な退陣時期には触れなかった。今国会の会期内に成立しなければ、9月以降も続投する「居座り宣言」と言える。 輿石東(こしいし・あずま)参院議員会長が70日間の延長国会を「バトンゾーン」にたとえるなど、政府・民主党幹部はこの間に首相交代のバトンリレーを実現させようとしている。 だが、首相には唯々諾々