―― 加賀屋の宿泊客のピークは1991年の33万人、2007年はその67%と言うことです。加賀屋を含め、国内の観光業界はバブル崩壊後、厳しい時代が続きました。 小田 バブル崩壊で、最もひどい打撃を受けたのが旅館でしょう。この加賀温泉でも我々の大先輩の老舗旅館が倒産、退場している。これは、胸が痛むし、とても怖いことです。でも、よくよく考えれば、経営者にも慢心があったと思うんですね。 バブル華やかりし1991年までの十数年間は、旅館の経営者にとっては、これ以上ないというくらいにいい目を見てきたわけですな。あの好況が経営者の目を誤らせたと思うんですね。 私もバブル期にいろいろと投資をしました。でも、株やゴルフ場ではなく、配膳や下膳のための自動搬送システムや、客室係向けの母子寮と保育園を兼ねた「カンガルーハウス」など、本業にかかわる投資でした。 自動搬送システムには10億円を投資しましたけど、これ