北京駐在の特派員らで組織する「駐華外国記者協会」(FCCC)は29日、中国で活動する外国人記者の取材環境が悪化しているとする報告書を発表した。 会員204人のうち109人から回答を得て作成された同報告書によると、昨年の取材環境が悪化したと55%が回答。一昨年の40%を上回った。当局による取材妨害として盗聴、尾行、家宅侵入などを挙げた。特に、イスラム教徒への人権侵害が問題となっている新疆ウイグル自治区での取材妨害が深刻であるとした。 また、常駐の外国人記者には通常1年の査証(ビザ)が発給されるにもかかわらず、当局は、気に入らない報道などをした記者のビザ期間を短縮したと指摘。産経新聞や、米ニューヨーク・タイムズ紙、英BBC放送、オーストラリア放送協会、米ボイス・オブ・アメリカに所属する記者5人は、2・5~6カ月のビザしか発給されなかったとした。(中国総局)