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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (68)

  • 琥珀の中に新種クマムシ化石を発見、「最強生物」の進化の謎に光

    クマムシの現生種(写真はオニクマムシ属)はその並外れた生存能力で知られるが、化石は極めて珍しい。(Micrograph By Ruben Duro / SCIENCE PHOTO LIBRARY) 小さな体のクマムシは、究極のサバイバーだ。5億年以上もの間に世界中に広がり、地球で最も厳しい環境のなかも生き延びてきた。そして最新の研究で白亜紀の琥珀に閉じ込められていたクマムシの化石を分析したところ、新種や進化の歴史に加えて、ほかの生物を軒並み絶滅に追いやった大災害をどう生き延びたかについての手掛かりも見つかった。論文は2024年8月6日付けで学術誌「Communications Biology」に発表された。(参考記事:「地上最強生物!? クマムシ」) 今回発見されたクマムシは、8300万年前から7200万年前の今のカナダで、木の樹脂のなかに閉じ込められた。同じ針葉樹林には、巨大なティラノサ

    琥珀の中に新種クマムシ化石を発見、「最強生物」の進化の謎に光
  • 肉眼で見えると期待された紫金山・アトラス彗星、「崩壊中」

    2024年秋に肉眼で観望できるとの期待が高かった「紫金山・アトラス彗星(すいせい)」が、既に崩壊しつつあると米天文学者が報告した。査読前論文によると、3月下旬から顕著に断片化するなどしており、太陽に最接近する前に崩壊するという。夜空に尾を描き美しく見応えがある彗星は、天体ショーの花形。国内で十分楽しめる“肉眼彗星”は長らくご無沙汰であるだけに、楽しみにしてきた人々の落胆は大きい。 太陽系の果てから、期待高めつつ接近 紫金山・アトラス彗星は2023年1月、中国科学院紫金山天文台がまず発見した。いったん行方不明となり、翌月に小惑星地球衝突最終警報システム「ATLAS(アトラス)」が再発見した。識別のための符号はC/2023 A3。紫金山は「しきんざん」とも、中国語に沿って「ツチンシャン」とも読まれる。故郷は太陽系のはるか遠く、小さな天体が無数に分布して太陽を球殻状に囲う領域「オールトの雲」。楕

    肉眼で見えると期待された紫金山・アトラス彗星、「崩壊中」
  • 「原爆の父」オッペンハイマーは本当に後悔していた?

    才気あふれる理論物理学者だったJ・ロバート・オッペンハイマーは、米ニューメキシコ州に創設されたロスアラモス研究所の所長に任命され、米国の核開発を率いた。(PHOTOGRAPH BY CORBIS HISTORICAL, GETTY IMAGES) 科学の新発見は好奇心を刺激し、未知の現象を解明し、時には世界をより良い場所にしてくれることもある。しかし、その発見をもたらした科学者が、後にその功績を悔いることになったとしたらどうだろう。 この疑問が、米国で7月21日に公開されたクリストファー・ノーラン監督作の映画『オッペンハイマー(原題)』の中心的なテーマになっている。この映画は、「原爆の父」として知られる米国人科学者のJ・ロバート・オッペンハイマーと、彼が率いたロスアラモス研究所での原子爆弾開発計画を描いたものだ。オッペンハイマーは、自らの功績が核の時代をもたらしたことに対する良心の呵責に、

    「原爆の父」オッペンハイマーは本当に後悔していた?
  • これってコロナ後遺症? 気になったときに知っておきたいこと

    新型コロナウイルス感染症の症状は、検査結果が陰性になれば終わるわけではない。聴覚と味覚の異常、熱、息切れ、咳、喉と胸の痛み、脱毛、倦怠感、疲労感、頭痛といった症状は、その後数週間~数カ月以上続くことがある。(PHOTOGRAPH BY JACKIE MOLLOY) 新型コロナウイルス感染症の症状は、検査結果が陰性になれば終わるわけではない。通常は、感染してから陰性判定が出るまで10日ほどかかるが、症状はその後も数週間から数カ月、またはそれ以上続くことがある。 新型コロナウイルスの後遺症に関して、2022年11月1日付けで科学誌「Nature Communications」に発表された論文では、英スコットランドで3万1000人以上の新型コロナの有症状者を対象に調査したところ、42%が完全に回復するまでに6~18カ月かかり、6%はその後も症状が残ったという。 陰性判定後もだらだらと続く症状は、

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  • 2100年の「虹予報」が発表、虹が出る日は増えてゆく

    米アリゾナ州セドナ近郊の赤い岩の上に弧を描く壮大な二重の虹。(PHOTOGRAPH BY DEREK VON BRIESEN, NATIONAL GEOGRAPHIC IMAGE COLLECTION) 数年前のある朝、米ハワイ州オアフ島のマノア渓谷にある自宅で、科学者のキンバリー・カールソン氏が窓の外に目をやると、息をのむほど鮮やかな虹が出ていた。 それは驚くことではなかった。ハワイはおそらく世界で最も虹を見るのに適した場所であり、特にマノアは頻繁に雨が降って日差しも強いため、鮮やかな虹を見るのに理想的な環境なのだ。 しかし、現在は米ニューヨーク大学で環境科学を教えているカールソン氏は、ある素朴な疑問の答えを知らないことに気づいた。その疑問とは、気候変動がハワイの、そして地球全体の美しい虹に影響を与えるのだろうかというものだ。 そこでカールソン氏は、他の気候科学者たちにこの疑問を投げかけ

    2100年の「虹予報」が発表、虹が出る日は増えてゆく
  • ドイツ発祥でナチスが再興、クリスマスマーケットの驚きの黒歴史

    ドイツ、アンベルク・ブッフホルツの歴史的広場で毎年開催されるクリスマスマーケット。(PHOTOGRAPH BY JAN WOITAS PICTURE ALLIANCE/GETTY IMAGES) クリスマスの時期になると、ヨーロッパでは各地にクリスマスの市が立ち、街は様変わりする。建物はきらびやかなイルミネーションで飾られ、手彫りのオーナメントやクリスマスの置物、熱々のホットワインを売る屋台が立ち並び、クリスマスキャロルが流れる。クリスマスマーケット発祥の地であるドイツだけでも、毎年2500~3000ものマーケットが開催されている。新型コロナウイルス感染症の影響で過去2年間中止されていたが、今年はそれが3年ぶりに街に戻ってきた。 歴史家たちは、ドイツの古い街の広場で行われてきたクリスマスマーケットという文化的伝統は中世の大聖堂や古代ローマの遺跡と同じように保護されるべきものだとして、ユネス

    ドイツ発祥でナチスが再興、クリスマスマーケットの驚きの黒歴史
  • 2022年の驚くべき発見22 人類の知はこれだけ広がった

    毎年、世界中の研究者が、人類の知の蓄積に貢献している。 古生物学者や考古学者は過去の痕跡から、はるか昔に失われた生命や文明を明らかにする。生物学者や地球科学者は地球とこの星に暮らす生命の仕組みを解明し、天文学者は地球の外に広がる謎を追求する。そして医学者は、人体の複雑さとそれを脅かす病気を研究し、人類という種を守るための新たな手段を開発する。 人類の絶え間ない探求と実験からもたらされる発見は、予想もしなかったようなものであることも少なくない。今年、特に大きな驚きとなった発見を以下にまとめた。

    2022年の驚くべき発見22 人類の知はこれだけ広がった
  • 過去100年で最大規模、トンガ噴火の驚くべき実態を解明

    2021年12月に活動が活発になったトンガ王国のフンガトンガ・フンガハアパイ火山は、翌年1月に大規模噴火を起こし、世界を何周もする衝撃波を発生させた。この噴火により、海面につき出ていた火山の頂上の大部分が破壊された。(PHOTOGRAPH BY MAXAR VIA GETTY IMAGES) 南太平洋にあるフンガトンガ・フンガハアパイ火山は、2021年12月に活動が活発になると、年明けの2022年1月15日、ついに凄まじい噴火を起こした。その爆発音は、9000キロ離れた米アラスカ州でも聞かれたという。この日具体的に何が起こったのかについては、大部分が謎に包まれていたが、その後の複数の調査で、驚くべき噴火の実態が明らかになりつつある。 最新の海底調査では、この噴火で10立方キロメートル分の岩石が噴き上げられたことが示された。この量は1991年のピナツボ火山噴火を上回り、過去100年間で最大規

    過去100年で最大規模、トンガ噴火の驚くべき実態を解明
  • 指が5本になる謎解明 細胞を増殖させるタンパク質の濃度が関係

    哺乳類の多くは5指構造だが、進化の過程で環境に応じて指の形や数を変えてきた。馬は大草原を速く走れるように5指の一部を残し、残りを退化させてひづめの形になったとされる。ほとんどの犬は前足が5指、後ろ足が4指だが、前後とも5指、4指の犬種もある。 SHHは組織の再生やがんの形成にも関係する重要なタンパク質。胎児期に指などの器官ができる際にSHHが細胞の増殖や分化、四肢の発生を促すことが知られている。 濃度勾配は一定の領域内に濃度の濃淡があることで、液体などの中で濃度が異なる部分があると「濃度勾配がある」と表現される。組織内、細胞内のSHHの濃度勾配は器官ができる上で重要な役割を果たしているとされながら、濃度勾配がどのようにできるかは分かっていなかった。 東京大学大学院医学系研究科の廣川特任研究員らの研究グループは、細胞内で物質を輸送する重要な働きをしている「分子モーター」と呼ばれ

    指が5本になる謎解明 細胞を増殖させるタンパク質の濃度が関係
  • ロシア頼りだったエネルギー政策、ドイツが直面する不愉快な現実

    ドイツ政府は国内の風力タービン設置を容易にしたいと考えている。写真はベルリンの北東約64キロにあるアンガーミュンデ付近に建設中のもの。(PHOTO BY SEAN GALLUP, GETTY IMAGES) 2月24日未明、ロシア軍のウクライナ侵攻によって、ドイツは不愉快な現実に直面した。ロシアドイツにとって最大のエネルギー供給国で、天然ガスと石炭の半分以上、原油の3分の1を供給している。対価として、ドイツロシアに1日2億ドル以上を支払っている。この資金が現在、戦争の元手になっているのだ。 ドイツのベアボック外相は、2022年末までにロシアからの石油輸入を止め、天然ガスからもできるだけ早く手を引くと4月に公約した。短期的に見ると、化石燃料の代替供給国を見つけることになるのかもしれない。 しかし、長期的に見るなら、ドイツにとって今回の危機は、化石燃料から完全に脱却し、約30年前に始まった

    ロシア頼りだったエネルギー政策、ドイツが直面する不愉快な現実
  • トンガ噴火は「桁外れに奇妙」、異常な巨大津波、少ない火山灰

    立ちのぼる噴煙の中、1分あたり5000~6000回という記録的な頻度で火山雷が発生した1月14日の様子。(PHOTOGRAPH BY TONGA GEOLOGICAL SERVICES, REUTERS) トンガの首都ヌクアロファの北約65キロメートルに位置する海底火山フンガトンガ・フンガハアパイは、もともとは山頂の一部だけを海面から覗かせていた細長い2つの小さな島で、フンガトンガ島とフンガハアパイ島と呼ばれていた。2014年の噴火で第3の島ができると、やがて、3つの島がつながって1つになった。2021年12月の噴火では、噴出した火山岩と火山灰によって新たな土地が生まれ、島は徐々に大きくなっていった。 そして2022年1月15日の大噴火となった。衛星写真で見ると、巨大火山はほぼ完全に海中に没し、見えているのは2つの小さな岩礁だけになった。しかし、数週間後か数年後には、火山は再び隆起するはず

    トンガ噴火は「桁外れに奇妙」、異常な巨大津波、少ない火山灰
  • トンガ火山噴火、何が起きたのか、1秒間に100回の雷

    2022年1月15日、トンガ王国の海底火山が恐ろしいほどの大噴火を起こした。日の気象衛星が撮影したこの画像の右手に噴火の様子が確認できる。(PHOTOGRAPH BY JAPAN METEOROLOGY AGENCY VIA AP) 2021年末、南太平洋の島国トンガで、海面から顔を出していたある火山島フンガトンガ・フンガハアパイが噴火を始めた。当初は灰色の噴煙と控えめな爆発が起こる程度のもので、トンガの住民以外に気付く人もほとんどいなかった。 年明け早々にいったん活動が穏やかになったが、その後一転して激しくなり、高く上がった火山灰の柱は、記録的な量の雷を発生させた。「1分間に5000〜6000回、つまり1秒間に100回の雷が発生するようになったのです。信じがたい量です」。気象測定を行うフィンランドの企業ヴァイサラ社のクリス・バガスキー氏はそう述べている。 そして1月15日、火山は凄まじ

    トンガ火山噴火、何が起きたのか、1秒間に100回の雷
  • 系外惑星の謎を解く宇宙望遠鏡、いよいよ打ち上げ

    太陽によく似た恒星の手前を横切る系外惑星の想像図。ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、系外惑星の構造や大気の組成をくわしく調べ、生命が居住できる惑星の要素を探る。(ILLUSTRATION BY DANA BERRY, NATIONAL GEOGRAPHIC) 12月24日、南米大陸の北東、フランス領ギアナにある欧州宇宙機関(ESA)の打ち上げ施設から、最新の宇宙望遠鏡が打ち上げられる。ハッブル宇宙望遠鏡の後継として期待が集まるジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡だ。 地球から100万km以上離れた宇宙空間に送り出され、金色の「目」(主鏡)をハチの巣のような形に展開し、太陽系外の惑星や、初期の星や銀河を見つめることになる。 直径6.5mになる目は、今はまだ小さく折りたたまれている。100億ドル(約1兆1400億円)をかけた輝く望遠鏡は、折りたたまないと世界最大級のアリアン5型ロケットにも載せること

    系外惑星の謎を解く宇宙望遠鏡、いよいよ打ち上げ
  • 英国でデルタ株の亜系統が急拡大、なぜ? 危険度は?

    2021年10月20日、英国ロンドンの地下鉄に乗る通勤客。新型コロナウイルスの拡散を防ぐためにマスクを着用している人もいる。感染者数が急増している英国では現在、病院の負荷を軽減するため、医療関係者が政府に一部の制限を復活させるよう求めた。(PHOTOGRAPH BY TOLGA AKMEN, AFP VIA GETTY IMAGES) 英国では7月以降、デルタ株の亜系統「AY.4.2」が拡大している。依然として主流は元のデルタ株ではあるものの、現在、2つの新たな変異をもつこの亜系統が新規感染の12%以上を占めている。9月上旬の時点では4%以下だったため、割合は増加傾向だ。 さらに憂慮すべきは、AY.4.2がデルタ株の他の亜系統を着実に打ち負かしている点だ。英保健安全保障庁(UKHSA)が10月22日付けで公表した暫定的な証拠では、AY.4.2はデルタ株の他の亜系統に比べ、家庭内での感染率が

    英国でデルタ株の亜系統が急拡大、なぜ? 危険度は?
  • 2015年に小笠原沖で起きた余震、深さ751キロで世界最深だった

    2015年に小笠原諸島西方沖で発生した一連の地震は、地下数百キロで発生した超深発地震だった。(PHOTOGRAPH BY FLPA, ALAMY STOCK PHOTO) 2015年5月、小笠原諸島西方沖の地下600~700キロという深さで、奇妙な連続地震が発生した。ほとんどの地震は、地表から数十キロよりも浅い部分で起こるものだが、この地震はそれよりはるかに深かった。こうした地下深くの場所では、激しい高温と高圧のため岩石は割れることがなく、地震は起こりにくいと考えられていた。(参考記事:「史上最長、32年間続いた「ゆっくり地震」を解明」) 最初に起こった地震はマグニチュード7.9(気象庁マグニチュードは8.1)、震源の深さは680キロを記録した。これ自体、世界でもまれにみる超深発地震だが、続いて起こった余震の一つが、観測史上世界最深だった可能性があることが明らかになった。この発見は、202

    2015年に小笠原沖で起きた余震、深さ751キロで世界最深だった
  • ハロウィンの起源はここ、アイルランド「悪魔の洞窟」

    アイルランド、ラスクロハンにあるオエンナガット洞窟。古代ケルトにおいて中心的な役割を担っていたとは信じ難いほど控えめなたたずまいだ。悪魔が暮らす地下世界の入り口、ハロウィンの起源であるサウィン祭の発祥地として知られる。アイルランドは現在、この遺跡をユネスコの世界遺産に登録することを目指している。(PHOTOGRAPH RONAN O'CONNELL) アイルランドの何でもなさそうな野原に大きな塚がある。今は羊たちが自由に歩き回っているが、2000年前なら恐怖におののいていたかもしれない。近くのオエンナガット洞窟に住むケルトの悪魔に、いけにえとしてささげられるためだ。 アイルランドの考古学者ダニエル・カーリー氏によれば、古代ケルト人はオエンナガット(ネコの洞窟の意)を、悪魔が暮らす「あの世」とアイルランドとを結ぶ通路と考えていた。そしてこの洞窟のほか一帯の遺跡群「ラスクロハン」は、ハロウィン

    ハロウィンの起源はここ、アイルランド「悪魔の洞窟」
  • 金星探査計画が続々、今なぜ灼熱の惑星に挑むのか?

    金星の表面は、そのほとんどがまだ調べられていない。画像は、NASAの金星探査機マゼランのレーダー探査データに基づいて作成されたもの。(PHOTOGRAPH BY NASA, JPL) 金星は夜空で最も美しい天体の1つだが、もし近くに行けば腐った卵のようなにおいがするだろう。その雨粒は肉を溶かし、表面の温度は木やガソリンが自然発火するほど高く、気圧は潜水艦がつぶれるほど高い。 そんな金星だが、かつては温暖で、海があり、生命が存在していたかもしれない。つまり、太陽系では数十億年にわたり、地球と金星という2つの青い惑星が太陽の周りを回っていたのかもしれないのだ。しかし、地球で生命が繁栄する一方で、金星では大気中に破滅的な量の炭素が蓄積されて「暴走温室効果」が起こり、死の惑星になってしまった。(参考記事:「「金星に生命の痕跡」に反証続々、ホスフィンは誤検出の可能性」) かつて金星に液体の海があった

    金星探査計画が続々、今なぜ灼熱の惑星に挑むのか?
  • 【解説】過去最大級の彗星がやって来る、最接近は2031年

    バーナーディネリ・バーンスタイン彗星の想像図。この彗星は、一般的な彗星の約1000倍の質量をもつと推定されている。(ILLUSTRATION BY NOIRLAB, NSF, AURA, J. DA SILVA (SPACEENGINE)) 太陽から43億km以上、太陽から地球までの距離の約29倍も離れた宇宙空間で、1つの物体が太陽に向かって猛スピードで突進しながら、わずかに届く太陽光をきらりと反射した。その物体は氷に似ていて、想像を絶するほど古く、巨大だった。 約4時間後の2014年10月20日未明、チリのアタカマ砂漠の望遠鏡が夜空に目を向け、南天の広い範囲の写真を撮影し、このかすかな反射光をとらえた。 奇妙な光の点が、太陽系の歴史を残す「始原的な」巨大彗星であること、そしておそらく現代の望遠鏡で観察できたものとしては最も大きい彗星であることに科学者が気づくまでには、それから7年近い年月

    【解説】過去最大級の彗星がやって来る、最接近は2031年
  • 太陽系に未知の惑星、99.6%存在、天の川の方向

    一部の天文学者たちは、太陽系外縁のどこかに、地球のおよそ6倍の質量をもつ惑星が潜んでいると考えている。(CALTECH/R. HURT (IPAC)) 太陽系にまつわる謎のなかでも特に興味深いのは、海王星の外側に巨大な氷の惑星が当にあるのかどうか、という問題だ。もし実在すれば太陽系第9の惑星となることから、仮に「プラネット・ナイン」と呼ばれているが、この仮説は、提唱された当時から賛否両論を巻き起こしてきた。一部の小さな天体が描く奇妙な軌道から推定されたものだからだ。 そんななか、米カリフォルニア工科大学の天文学者であるマイク・ブラウン氏とコンスタンティン・バティギン氏は、もしプラネット・ナインが実在するとすれば、これまで考えられていたよりも地球に近く、より明るく、見つけやすいだろうという分析結果を発表した。両氏による論文は、学術誌「Astronomical Journal」に8月22日に

    太陽系に未知の惑星、99.6%存在、天の川の方向
  • 図解:度重なる侵攻と抵抗、アフガニスタンの歴史

    18世紀の建国以来、アフガニスタンは強国の侵攻と支配に翻弄され、抵抗しながら国を形づくってきた。地図と年表で解説する。

    図解:度重なる侵攻と抵抗、アフガニスタンの歴史