シリア首都ダマスカスと中部ホムスを結ぶ幹線道路沿いの丘陵には、引き倒されたハーフェズ・アサド氏の巨大な石像が放置されていた=2024年12月20日(大内清撮影)約13年に及んだ内戦の末、昨年12月にバッシャール・アサド前大統領が亡命したシリア。父ハーフェズ・アサド元大統領の時代から半世紀以上続いたアサド家の支配が終焉した。記者は政権崩壊直後にシリア入りし、約2週間にわたり現地を取材。多数派であるイスラム教スンニ派の多くが強権体制からの解放を喜ぶ一方、アサド家と同じ少数宗派アラウィ派に属する人々はこれまでの特権的地位が奪われることへの不安を吐露した。 情報機関が国内監視 人口15%のアラウィ派優遇の強権支配内戦中、シリア首都ダマスカスから第3の都市である中部ホムスに車で向かうと、幹線道路沿いの丘に立つ全長20メートルほどの巨大な石像があった。2000年に死去したハーフェズ氏が片手を挙げた姿を
