安倍晋三首相は1日、2017年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを2年半先送りすることを表明しました。消費税大増税路線の大破綻を示すものです。首相は先送りの理由を世界経済の悪化に求めました。消費税増税で国民生活を破壊してきた自らの失政を世界経済に転嫁する厚顔無恥なやり方は世界で笑いものになっています。参院選で問われるべきは、2年半の増税先送りの是非ではなく、国民生活を破壊し続けてきたアベノミクスと消費税増税路線です。(清水渡) 国民生活に悪循環 会見で安倍首相は、「今世紀に入って最も高い水準の賃上げを実現」と胸を張りました。しかし、実質賃金は5年連続のマイナスです。名目賃金が伸び悩んだことに加え、アベノミクスの「異次元金融緩和」で物価が上昇したためです。 安倍首相が会見で最後まで触れなかったのは、個人消費です。国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費が2年連続でマイナスとなりま