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ブックマーク / technique.hateblo.jp (64)

  • この本には、異常な地方が描かれているのではない。 - Freezing Point

    むしろ、私たちの日常が曝露されている。 あのとき、大川小学校で何が起きたのか 作者: 池上正樹,加藤順子出版社/メーカー: 青志社発売日: 2012/10/24メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 18人 クリック: 2,098回この商品を含むブログ (8件) を見る 行きなれた目の前の山に逃げれば、*1 亡くなった子どもたち74人が全員助かっていたのに、 地震発生から50分間も校庭に待機させた。 「山に逃げよう」と声をあげた子どもたちもいたのに、 わざわざ連れ戻してまで校庭にいさせた。 その事実を市長や教育関係者が徹底的に揉み消し、 時間のつじつまをごまかし、聞き取りのメモを捨て、 「頑張って逃げようとしていたが、間に合わなかった」 ことにした。 制度の前提がおかしい 「学校管理下で死亡事故が起きた場合の対応として、報告しなければならないという法律の根拠がないのです」(文部科学省の「

    この本には、異常な地方が描かれているのではない。 - Freezing Point
    massunnk
    massunnk 2012/11/04
    『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』から垣間見える私たちの日常について。
  • ひきこもる人の自殺率 - Freezing Point

    斎藤環氏は、ひきこもりと自殺について、以前から次のように述べています(参照)。 抑うつ感とみえたものは、実は空虚感であり、自己愛は保たれている。それゆえ純粋なひきこもり事例が自殺に至ることはほとんどない。 ところが、「KHJ親の会」に長くかかわった方から、「ひきこもる人の自殺率は一般のほぼ10倍」という話をうかがいました。 私が個人的に存じ上げる範囲内でも、また親の会にお邪魔した際の雑談からも、自殺事例があまりに多いので、斎藤氏の談話に疑念を持っていたのですが、「10倍」という数字をいわれたことに驚き、データ的な根拠について質問しました。 大意次のようなお返事を頂きましたので、ご人の許可を得て、発言趣旨を引用します*1。 統計的資料はありません。 自死は隠しますから、あくまでも推測です。 (1)親御さんから、「心臓麻痺で亡くなりました。お世話になりました」との連絡の例があった。お悔みに行

    ひきこもる人の自殺率 - Freezing Point
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    massunnk 2012/07/02
  • 最適解という、不可能な使用価値 - Freezing Point

    インタビュー「安冨歩」より: 実は私は、いわゆる「学問分野」を成り立たせているのもまた「盲点の共有」ではないかと考えています。例えば経済学の場合、最適化、つまり最適なものが選択されるというのが経済学の基なんですが、それは稀少性、つまり物が足りないという状況が、大前提となっています。稀少性はエントロピー第二法則が大前提となります。なぜならエントロピー第二法則がなければ、永久機関がつくれるので、何でもコストなしに作れます。そうすると稀少なものなどなくなります。一方、エントロピー第二法則は、計算とか情報のやりとりにコストがかかることを要請します。そうすると、最適化という大変な計算過程を実行しようとすると、ものすごいコストがかかることになります。すると、最適化という行為自体が資源の賦存を変化させてしまい、最適化を振り出しに戻してしまいます。これでは何時まで経っても最適化は終わりません。 以上のこ

    最適解という、不可能な使用価値 - Freezing Point
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    massunnk 2012/03/18
  • 「小室直樹博士記念シンポジウム」 視聴メモ - Freezing Point

    いろんな意味で刺激的であり、すべて拝見した。 http://www.ustream.tv/recorded/13116411 http://www.ustream.tv/recorded/13120051 http://www.ustream.tv/recorded/13123376 http://www.ustream.tv/recorded/13125164 ウリ/グァタリの制度論を経由して聞く「構造-機能分析」の顛末。 【参照PDF】 考える方針それ自体が、主観性や集団のあり方を強く規定する。 ある理論事業は、「理論的に考えるとはどういうことか」をめぐる態度決定の終わったあとの試行錯誤になっている。 精神分析に出会い、システム論を生み出した時期のパーソンズは、個人的な危機にあった? 社会システム論じたいが、症候論的創出だったかもしれない。 【参照】*1 ▼選びとられた理論方針は、その

    「小室直樹博士記念シンポジウム」 視聴メモ - Freezing Point
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    massunnk 2011/05/23
  • 技術革新と、「アート&デザイン」 - Freezing Point

    2011年3月19日の浅田彰氏の発言より(京都造形芸術大学 卒業式での式辞) http://www.youtube.com/watch?v=LpPBN5znT2A#t=18m54s たしかにいま日は、非常な困難に直面しています。 (略) しかしここで率直に認めなければいけない。まず、いま喫急に被災者の人たちを助けるときに芸術に何ができるか。 「とりあえずは何もできない」というべきです。というより、そもそも芸術というものは、人々の心の飢え、精神の欲求を満たすということが役割なのであって、今はそれ以前に、まず衣住その他の物質的な環境をきちっと、最低限のところまで担保することが急がれている。そのあいだ、芸術に何ができないからと言って、別におたおたすることはない。被害に遭わなかった者はまずは、いつも通り冷静に、ふつうに生活や仕事を続け、そして文学や芸術を育み続けるということが最大の任務なのであ

    技術革新と、「アート&デザイン」 - Freezing Point
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    massunnk 2011/05/22
  • 全体/関係/主観――専門性と主権性の対立(メモ) - Freezing Point

    知識人は権力批判をやりたがるが、社会参加の観点からは、《いかに権力に巻き込まれるか》こそが焦点*1。 大文字の権力を批判しても、「権力を批判する」ことでコミュニティに受け入れられるだけなら、そのコミュニティ内部で自分が巻き込まれる権力は分析できていない。(「誰がいちばん権力を批判しているか」の分派闘争のくだらなさ) 日の左翼は、金正日政権による朝鮮系殺害を黙認する。リベラル系は、ドメスティック・バイオレンスに寛大。 ▼彼らは、自分の足元にある暴力を話題にしない。 大文字の大義*2のある場所には、暴力は「存在してはいけない」ことになっている。だから言及が許されない。 正義言説と、精神科臨床的な趣旨は、「目指すところ」のみならず、語りのプロセスにおいて一致しなければおかしい*3。 《社会全体のガバナンス》、《目の前の関係性》、《主観性の方法》――この3つが、課題として乖離している。 しかし、

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    massunnk 2011/02/01
  • ワークシェアでは、《つながりかた》こそが問われている - Freezing Point

    数年前に某所で知り合った会社員がひどい過労状態らしく、「手伝いましょうか」と言ったら当に作業ファイルを送ってきた。 やるべきことは時間がかかるだけで、熟練は要らない。 仕上げて送り返したらひどく感謝され、「こういうのがビジネスになればいいのに」という*1。 熟練技術者が雑事で過労になり、あぶれた人は手伝うこともできない。 《仕事》が契約の内部にしかないので仕方ないが、やるべきことの社会的配分としては効率が悪すぎる。 今回はお金すら貰っていないので「利用されただけ」とも言えるが*2、私がその人の睡眠時間を労働で買ったと思えば納得できる――問題は、誰に対してでも納得できるわけではないこと。(社員側も、信頼関係なくワークシェアだけを要求されれば、「仕事を取られる」と不安になるだろう。) 歴史的にいえば、契約による《仕事》の囲い込みは、合理化によるコミュニティ崩壊のプロセスであり、だからこそ自由

    ワークシェアでは、《つながりかた》こそが問われている - Freezing Point
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    massunnk 2010/06/11
  • 「ほとんど見たことがない」 ⇒ 「1割は発達障碍」 - Freezing Point

    斎藤環氏は、数年前までは ひきこもり事例を20年*1、2000人以上みてきたが、発達障碍はほとんど見たことがない とおっしゃっており(参照)、これは業界内で際立って批判的な態度表明だったのですが、 最近のラジオでは、「全体の一割は発達障碍」という発言をされているようです。 見過ごされてきた発達障害の人は一定数いるだろうとされていますが、この割合は精神科医によって判断が分かれるところで、3割以上いるという人もいれば、私のように1割ぐらいだと言う人もいます。 (ひきこもり問題を考える TBSラジオ「Dig」テキスト化 Part.3) たいへん大きな立場の変更です。 私は「ほとんど見たことがない」という斎藤氏のお立場を自説の励みにしていたので、この変更にどういういきさつがあったのか、気になります。 *1:「1986年ごろから」とのお話だったと思います。

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    massunnk 2010/05/29
  • 問題化の手続き - Freezing Point

    拙エントリを受けて追加された酒井さんのコメントより: 上山: 「逸脱研究」という問いの作法が先にあって、そこから若者を見ようとする、メタ視点への欲望 ──そうじゃなくて。 ヤンキーたちは「逸脱」してようがそんなに困らないよね?という話でした。 (はてブ) 日の大学進学率は、1990年で25%くらい、2000年で40%くらいであるらしい(Wikipedia:「進学率」)。 「学卒即就職」という「ライフコース」ビジョンは、そのパーセンテージ周辺の人たちにしか関係がない。 たとえば、多くの「ヤンキー」には、こういうビジョンはぜんぜん関係がない。また──ヤンキーではなくても──たとえば高校生活を地方都市でおくった私にとっても、「大学に進むか否か」というのは 明確に「選択の問題」であった。(実際 私自身はかなり悩んだ末に進学を決めた。) (参照) 「そんなの、一部の恵まれた人間の悩みでしかない」と

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    massunnk 2010/03/16
  • 問いの固着 - Freezing Point

    石川良子『ひきこもりの〈ゴール〉―「就労」でもなく「対人関係」でもなく (青弓社ライブラリー (49))』に対する、酒井さんのコメントより: この箇所とか、自分にとっては──「世の中には こういう考え方もあるのか!」的な意味で──衝撃的だった。[p.143-144]  (参照) このご発言がこたえました。 というのも、私は石川氏が描こうとされている考え方のパターンが、 説明すればすぐに通じるし、多くはすでに共有されている考え方 という前提をもって、エスノメソドロジーへの質問や、酒井さんへのお返事を書いていたので。それなら、私が何を論じようとしているか自体が伝わらないのは、当然かもしれず。(考えてみれば、ひきこもりを論じるたびごとに、こういうことをくり返してきたはずでした。)*1 「気持ちを分かってもらう」とは別のレベルで、《基事情を受け止めたうえで為した仕事が、何をやってるのか理解されな

    問いの固着 - Freezing Point
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    massunnk 2010/03/16
    「「逸脱研究」という問いの作法が先にあって、そこから若者を見ようとする、メタ視点への欲望でしょうか。 私は、「これを考えれば仕事をしたことになる」という、その問いのフレームが固定されている」
  • 《臨床》という言葉の周辺(メモ) - Freezing Point

    「エスノメソドロジーという事業そのものを、臨床活動と理解することはできないでしょうか」という私の質問(参照)は、とても強引な言葉づかいをしています。 contractio さん: 「臨床」という言葉を使いたいと望み かつ 恐れなく使えるひとの考えが、わたしは知りたいです。 (略) 90年代半ば過ぎくらいからでしょうか、「臨床」ということばを、医者以外の人が使うようになってきたことは知っていて、そうした文献を多少は読みました。が、「ぜひともこの言葉を使わねばならない理由」というのが、私には結局さっぱりわかりませんでした。 (略) 「臨床」という語に「治療」という含意があるなら、それを医療従事者以外の人が使うのは、かなり大それたことであるような気はします。 《臨床》という語を、医療とは別のものとつなげたタイトルとしては、《臨床哲学》、《臨床美学》*1、《臨床法学》*2、そして《臨床社会学》など

    《臨床》という言葉の周辺(メモ) - Freezing Point
  • 構成プロセスの困難と、《つながりかた》 - Freezing Point

    臨床社会学ならこう考える 生き延びるための理論と実践 作者: 樫村愛子出版社/メーカー: 青土社発売日: 2009/11/24メディア: 単行購入: 4人 クリック: 59回この商品を含むブログ (14件) を見る ずいぶん興奮しながら読んだ。 第3章「現代社会における構築主義の困難」(参照)で、樫村はラカン派の立場から「構築そのものの困難」を論じてくれている*1。 しかし彼女は、構築の問題を「同一化」と「隠喩」に還元してしまう。これでは、フレームに監禁されたまま子どものような遊びを繰り返すしかない。私はここでこそラカンにつまづき、《ジャン・ウリ/ガタリ》を必要としたのだ*2。 「同一化と隠喩」ではなく、その都度その場で、権力をうまく生き直すこと。たんに外形的に組み直せばいいのではなくて、内在的分節がそのまま権力の営みであり、自らの内なる構成過程であること。ここのポイントがないから、樫村

    構成プロセスの困難と、《つながりかた》 - Freezing Point
  • 環境と臨床 - Freezing Point

    NHKブックス別巻 思想地図 vol.4 特集・想像力 作者: 東浩紀,北田暁大,宇野常寛(編集協力)出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2009/11/26メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 81人 クリック: 2,260回この商品を含むブログ (90件) を見るあまり期待せずに、宮崎哲弥氏の座談会を読み始めたら面白くて、けっきょく購入。 まだ読んでいない章もあるが、決定的だと思った箇所から、理解や方針のちがいを整理してみる(以下、強調はすべて引用者)。 中沢新一: ひとつの問題点は、(略) 人間の思考というのは平面を作り出してしまうことの問題性なんだと思います。 思考するときに必ず何らかの平明を作り出してしまう。 (略) 思考し始めるだけではなくて、これを商売とする人たち、なりわいとする人たちが出てくる。 それから、それをひとつの社会組織にまで展開してくる運動が同時に発生して

    環境と臨床 - Freezing Point
  • ビデオ「ひきこもり脱出マニュアル 全3巻」(監修:斎藤環、2003年) - Freezing Point

    制作・著作・販売: 「PEエデュケーション」 【注文フォーム】 ある図書館でお借りして、視聴できました。 ひきこもり状況の再現ドラマのあと、斎藤環さんが細かく解説し、ご家族向けのアドバイスを提示するというもので、お話の内容そのものは、全国の講演会でなさっているのと同じものです。 60分のVHSビデオ1が24,150円と、面らうほど高額です。 事情は何も存じませんが、「上映権・貸出権付き」であることと、職の俳優・スタッフによる再現ドラマなどで、費用がかさんだのではないでしょうか*1。 ビデオの性質上、個人で購入して所有するというより、公共施設や「親の会」有志でお金を持ち寄って購入するのにふさわしいと思います。 内容そのものは、斎藤環氏が80年代以来、2000例におよぶ臨床経験から編み出したアドバイスであり、仮に批判があるとしても、「これを踏まえた上でどうするのか」という、拠点としての意

    ビデオ「ひきこもり脱出マニュアル 全3巻」(監修:斎藤環、2003年) - Freezing Point
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    massunnk 2009/10/22
    こんなビデオが、知らんかったな
  • 「概念創造のスタイルを変える」という臨床行為 - Freezing Point

    *1 「概念を創造する」といっても、すでにある生産態勢で「創造」したって、同じルーチンでしゃかりきになることでしかない。 当に必要なのは、考える態勢そのものを変えることであり、嗜癖的な労働ルーチンを組み直すことだ。 組み直すことが自己目的なのではない*2。――私が取り組もうとしているのは、嗜癖的固着を避けるための、持続的な臨床活動に当たる*3。 「批評は臨床である」というのは、言葉遊びではないはずだが、今では臨床家の言説そのものが、嗜癖的に硬直している。 *1:投稿者であるaec さんの公開マイリスト:「好々爺なドゥルーズ・シリーズ」 *2:それでは、「組み換えること」に嗜癖してしまう。 *3:たとえば数学のように、嗜癖的没頭によってしか成果を出せないジャンルや作業もある。

    「概念創造のスタイルを変える」という臨床行為 - Freezing Point
  • 専門教育が、「処理力」と「編集力」の構成を変えるべき。 - Freezing Point

    もと和田中学校長の藤原和博氏と、10月の神戸市長選に立候補予定の樫野孝人氏の合同講演会を聴きに行った(参照)。 樫野氏はリクルート時代の藤原氏の後輩で、選挙に向けてタッグを組むとのこと。 藤原氏が板書した以下の表で、さいきん考えていたことを少し整理できた。 20世紀 成長社会21世紀 成熟社会 復興の時代文化の時代 みんな一緒それぞれ一人一人 情報の処理力情報の編集力 目的=正解答えはない。 納得解。 ジグソーパズルレゴブロック 以下は、講演を聴きながら考えていたこと。 これまではコミュニティが機能したから、その枠内で情報処理をしていれば仕事をしたことになった。 そこで医師や弁護士など、ルーチン化した専門職に高い地位と給与が与えられた。 社会の多様化・流動化が進むと、単なる「情報処理」では対応できない。 今後必要なのは、バラバラな人や情報をまとめ上げ、自分でコーディネートする「編集力」。

    専門教育が、「処理力」と「編集力」の構成を変えるべき。 - Freezing Point
  • 居場所の文法 - Freezing Point

    神戸芸術工科大学 「メディア表現学科特別講義A 〜ゲスト講師・新海誠氏」 7月1日(水) 14:40〜 司会: 大塚英志(学メディア表現学科教授) ※一般の方の聴講可となっております 聴講し、いい意味でショックを受けて帰ってきました*1。 以下は、私の個人的なメモです。【※発言の引用等については、主催者や発言者の許可はいただいていません。不正確な描写等に問題がございましたら、リンクやメールにてご指摘いただければ幸いです。適宜対応させていただきます。】 講演が新海誠氏(実作者)、司会が大塚英志氏(批評家・教育者)、コメントに川口典孝氏*2(事業家)、そして客席には、作品づくりに人生を賭けようとしている学生たち。 この配役(?)の緊張感が素晴らしかった。 単なる作品批評でも、単なるビジネス論でも、単なる「将来の夢」でもなく、いわば当事者どうしの真剣さの掛け合い。 ほぼ満員の聴衆がずっと聴き入

    居場所の文法 - Freezing Point
  • 《つながりかた》という、政治的・臨床的な課題 - Freezing Point

    いくつかの集まりに参加し、生きづらさや居場所についての話になった。 それであらためて、繋がろうとすることよりも、《つながりかた》こそが問題なのだと思い至る。 「論じかた」=「つながりかた」。 知識人たちの言説に非常に特徴的なのは、彼らの論じる内容が、彼らじしんの営む身近な関係性のありかたと解離していることだ。 「こんなのできましたよ」という知性誇示ばかりがあって、どういう前提を共有してつながっているのか、そこの分析は拒否する(批評とは認めない)。 「環境管理と動物化」「つながりの社会性」「オタクになれ」「感染せよ」など*1、つながりに関するメタ分析や提言をひたすら続けているが、彼らはリアルタイムの具体的な関係分析を、コミュニティ維持の必要条件とは見なしていない。 臨床に口を挟むような提言を繰り返しているのに、メタ言説や硬直した方針をリピートするだけ。――「こういう論じ方をしないと、あなたは

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  • 《分析》は、触媒というよりも、排除のきっかけになりがち - Freezing Point

    東京劇場―ガタリ、東京を行く 作者: フェリックス・ガタリ,梶洋哉出版社/メーカー: ユー・ピー・ユー発売日: 1986/04メディア: 単行 クリック: 15回この商品を含むブログ (6件) を見る以下は、浅田彰氏による記述(p.144-p.145、強調は引用者) 数日後、坂龍一との対話を終えたガタリに対し、坂龍一を介して平井玄からひとつの計画が提起される。山谷から北下北沢のミニFM局まで、もうひとつの東京を横切る異質な横断の線を引いてみること。よろこんでこれに応じたガタリは、当日、あらゆるものに興味を示し、あらゆる人々と語り合おうとして、浅田彰と細川周平、それにコリーヌ・ブレから成る即席通訳団をキリキリ舞いさせる。不完全な通訳を通じて、しかし、この分析家は実に敏感に状況を観察している。人々の音声、表情、身振り、なにひとつ見逃しはしないのだ。浅田彰と平井玄や竹田賢一との間に微妙な緊

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    massunnk 2009/06/13
    analyzer/catalyzer
  • 「マジメさの反対は、フマジメではない」 - Freezing Point

    失業について、「それには構造的排除の面がある」といわれる。 人を実体化して責めても、質的な取り組みにはならない、と。 同じようなことを意識について言い出したら、どうなるだろう。 「私がこんな状態なのは、させられてきた面があるのです」、と。 ありがちな責任転嫁ならバカげているし、場合によっては、病的にすら見えるかもしれない(cf.「させられ体験」)。 しかしここで問題なのは、意識のありかたそのものがある所与のスタイルで反復されており、それはなかなか人の思い通りにはならない、ということだ*1。 サルトルの考えたような「自由」は、それだけでは使えない。 ひきこもる人は、だらしなくフマジメに見え、じっさい何もできないのだが、それはむしろ、ある意識のパターンに監禁され、そこにはまり込む以外に「自分」を反復する方法が見えなくなった状態といえる。 たとえば斎藤環は、マジメすぎる相談者たちに、いわば

    「マジメさの反対は、フマジメではない」 - Freezing Point
    massunnk
    massunnk 2009/06/12
    マジメにフマジメしようとしちゃうんだよね。俺もそうだった気がする。