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ブックマーク / febri.jp (41)

  • わかりやすく、でも突き詰めて――監督・平牧大輔が語る、アニメ『【推しの子】』の制作論③ | Febri

    ――『【推しの子】』では、キャラクターそれぞれの演技もハマっているように思いました。演技におけるディレクションでこだわった部分はありますか? 平牧 感情の切り替えが速く、振り幅が大きい作品なので、切り替えが難しい部分はありました。そこは気をつけつつ……たとえば、会話のテンポ感にしても、退屈しないように考えました。 ――たとえば、第6話~第7話で見せる黒川あかねの演技なども、繊細さの中に見える芯の強さが、のちの彼女の存在感につながっていくと感じました。 平牧 石見(舞菜香)さんはお上手ですし、彼女がアイ化するのは原作を読めば把握できることなので、物語の展開も含めてあまり細かいことは言いませんでした。「もうちょっと明るく」などの調整をお願いしたくらいですね。それは有馬役の潘(めぐみ)さんもMEMちょ役の大久保(瑠美)さんも同じです。オーディションのときに皆さんの声の特徴とキャラクター性を考えて

    わかりやすく、でも突き詰めて――監督・平牧大輔が語る、アニメ『【推しの子】』の制作論③ | Febri
  • わかりやすく、でも突き詰めて――監督・平牧大輔が語る、アニメ『【推しの子】』の制作論② | Febri

    ――作は芸能界とアイドルを描く一方で、アイを死に追い込んだ犯人を追うサスペンスとしての要素もあります。映像面では、このサスペンス感をどのように意識しましたか? 平牧 間(ま)と色ですね。たとえば、目の前に広がる景色や人間の姿も、少し青みを足すだけでホラー感が増しますよね。 ――青の要素で生気が失われる分、恐怖を煽るような絵になります。 平牧 映画やドラマでは当然、そのような効果を入れるのですが、そのさじ加減と、どのシーンで入れるのかを慎重に判断していきました。ここはサスペンスタッチで、ここはギャグでなど、原作でも描かれているものをどういう順番、リズムで映していくのか、という部分ですね。アニメでもカッティングという作業があるのですが……。 ――制作したカットを、放送尺に沿ってつなぎ合わせる編集のことですね。 平牧 はい。この作品では話数によって「定尺」(作品が放送される時間)が変わるので、

    わかりやすく、でも突き詰めて――監督・平牧大輔が語る、アニメ『【推しの子】』の制作論② | Febri
  • わかりやすく、でも突き詰めて――監督・平牧大輔が語る、アニメ『【推しの子】』の制作論① | Febri

    アイドルの視点から見る芸能界、そして転生とサスペンスの要素を巧みに組み合わせた大ヒット作『【推しの子】』。原作ファン以外にもその人気を広げ、幅広い層の心をつかんだアニメ版『【推しの子】』は、どのように作られたのか。監督・平牧大輔に直撃したインタビューの第1回は、その制作体制とアイドルの表現について。 ――『【推しの子】』の第1期は第1話の放送直後から大きな話題になりました。世間の盛り上がりはどのように感じていましたか? 平牧 原作の人気はもちろん知っていましたが、アニメがここまで盛り上がるとは思っていませんでした。久しぶりに友達から連絡が来たりして、ヒットすると親戚や知人が増えるというのは嘘じゃなんだなと思いました(笑)。 ――制作体制をお聞きしたいのですが、各話の演出担当だけではなく、今回は助監督として富ちゃおさんが参加していますね。 平牧 助監督がつくのは今回が初めてだったのですが、

    わかりやすく、でも突き詰めて――監督・平牧大輔が語る、アニメ『【推しの子】』の制作論① | Febri
  • 『機動武闘伝Gガンダム』30周年 ドモン・カッシュ役 関 智一インタビュー② | Febri

    放送30周年を迎えた『機動武闘伝Gガンダム』。ここでは、主人公ドモン・カッシュを演じた関 智一さんへのインタビューの後半戦をお届けします。役者陣の温かい関係、音響監督・浦上靖夫さんの愛ある厳しさ、そして総監督・今川泰宏さんへの熱い想いを、じっくりと語っていただきました。刮目して読むべし! 見よ、東方は赤く燃えている!! ――第12話で東方不敗マスター・アジアが登場してから、作品のトーンが少し変わる印象です。主演の関さんはこれを当時、どう受け止めていたのでしょう? 関 超級覇王電影弾を初めて撃ったとき、師匠の顔が飛んでいくじゃないですか。あそこで『ミスター味っ子』的な、今川ワールドが『Gガンダム』にも色濃く出始めた気がしましたね。当時はもう、痺れていました。「面白い!」って。僕は今川さんに魅了されていたんですよ。突飛だけど、ただ変なだけじゃないところが良くて「次は何をやってくれるんだろう?」

    『機動武闘伝Gガンダム』30周年 ドモン・カッシュ役 関 智一インタビュー② | Febri
  • 『機動武闘伝Gガンダム』30周年 ドモン・カッシュ役 関 智一インタビュー① | Febri

    ――ガンダムシリーズには前年の『機動戦士Vガンダム』から継続しての出演でした。 関 それでいうと『Gガンダム』のあとの『新機動戦記ガンダムW』にも出ているので、3年連続なんですよね。その後、『機動戦士ガンダムSEED』にも出ているので、僕はあの頃の『ガンダム』によく出ている男なんです(笑)。 ――たしかに。 関 でも、子供の頃は『ガンダム』にはそんなにハマっていなかったんです。どちらかというとスーパーロボット系の作品が好きだったので、『ガンダム』はちょっと難しい印象があって。だから『Gガンダム』のオーディションを受けたとき、内容がスーパーロボットっぽかったので「やった!」と思いました。「必殺技を言ってるぞ!」って。「きっと俺にぴったりだ!」とテンションが上がったまま受けたのをおぼえていますね。ただ、そんなことを感じながらも「受かるわけない」と思っていました。 ――なぜでしょう? 関 その前

    『機動武闘伝Gガンダム』30周年 ドモン・カッシュ役 関 智一インタビュー① | Febri
  • 師匠に聞け!『機動武闘伝Gガンダム』30周年 マスター・アジア役 秋元羊介インタビュー | Febri

    ――『機動武闘伝Gガンダム(以下、Gガンダム)』が放送30周年を迎えました。 秋元 この30年、だいたい毎年、何らかのかたちで『Gガンダム』関係の仕事があるんです。去年もストーカーとしてナレーションを1録りました。あれは担当者がまだやりたがっていたから、今年も話が来るんじゃないかと(笑)。他にもゲームとか『Gガンダム』の役を演じる機会はいろいろと多いですね。 ――じつに息の長い作品ですね。 秋元 当に。ありがたいことです。だから作品に関係する思い出も多いんです。 ――ぜひ、いろいろと聞かせてください。まず、そもそも『Gガンダム』への出演はどのように決まったのでしょう? 秋元 オーディションなどはなく、突然「今度こういう作品の仕事が入りました」と連絡をいただきました。当時はそういう、それまでの仕事のお付き合いの流れでお話をもらうことが多かったですね。最初はストーカー……つまりはナレーター

    師匠に聞け!『機動武闘伝Gガンダム』30周年 マスター・アジア役 秋元羊介インタビュー | Febri
  • 『グレンダイザーU』シリーズ構成・脚本 大河内一楼インタビュー② | Febri

    終盤に入り、衝撃的な展開が続いている『グレンダイザーU』。そのシナリオを手がけた大河内一楼に、キャラクター造形のコンセプトなどについて聞くインタビュー連載の第2回。今回は、デューク、兜甲児、カサドといった男性キャラクターの話題がメイン。1回目に引き続き、インタビューに同席したプロデューサーの柏木豊にも話に加わってもらった。 ――男性キャラクターでは、まず兜甲児が東映アニメ版に比べて理知的で頼りがいのある人物として描かれているのが印象的でした。 大河内 『UFOロボ グレンダイザー』の甲児って、いつもTFO(ティーフォー)に乗って負けてしまうじゃないですか。子供の頃、それが悔しかったんです。『マジンガーZ』が好きだったので「マジンガーが地下に隠してあるって言ってくれよ!」という『機動戦士Zガンダム』のカツみたいな気持ちで見ていました。だから今回、自分で脚を書くとなったときに、マジンガーZに

    『グレンダイザーU』シリーズ構成・脚本 大河内一楼インタビュー② | Febri
    mieki256
    mieki256 2024/10/01
    「「マジンガーが地下に隠してあるって言ってくれよ!」という『機動戦士Zガンダム』のカツみたいな気持ち」…その気持ち…わかる!
  • 『グレンダイザーU』シリーズ構成・脚本 大河内一楼インタビュー① | Febri

    TVアニメ『グレンダイザーU』は、1975年に放送された『UFOロボ グレンダイザー』のリブート新作。恋愛を中心に据えた新しいストーリーの中に東映アニメ版の要素を散りばめた作品で、クリエイター陣の豪華さでも注目を集めている。そのひとりである大河内一楼に、制作のスタンスやキャラクター造形について、2回にわたりインタビュー。同席したプロデューサーの柏木豊にも、制作時のエピソードなどを語ってもらった。 ――まず、『グレンダイザーU』に参加することになった経緯をお願いします。 大河内 『DEVILMAN crybaby』という作品でご一緒させていただいたダイナミック企画の永井一巨さんから「また(脚を)頼みたい」という連絡をいただいたんです。そのときに「監督が福田(己津央)さんで、キャラクターデザインが貞(義行)さん」と伺って、僕にとっては憧れのレジェンドクリエイターたちなので、一緒にやれるのが

    『グレンダイザーU』シリーズ構成・脚本 大河内一楼インタビュー① | Febri
  • 第2期決定! 監督に聞いたTVアニメ『小市民シリーズ』の演出術② | Febri

    高校生の小鳩常悟朗と小佐内ゆきが「互恵関係(ごけいかんけい)」としてコンビを組み、「小市民」を目指そうと奮闘する青春ミステリ。『氷菓』『黒牢城』でおなじみの直木賞作家・米澤穂信の人気シリーズをアニメ化した作は、岐阜市の美しい美術背景をベースに、印象的な演出や音楽、生々しいお芝居が詰め込まれた野心作だ。神戸守監督へのインタビュー後編では、印象深いシーンやミステリならではの苦労について聞いた。 ――ここからは、とくに印象に残っているシーンについて教えてください。 神戸 いちばん思い入れが強いのは、第1話でメインテーマが流れてからの一連のシーンです。音楽の小畑貴裕さんとは「歌ものを入れたいね」と最初から話していたんですけど、上がってきたデモ曲が当に素晴らしかったので、第1話はこの曲をメインに組み立てることにしたんです。 ――事件の解決編で歌ものが流れ出すミステリは珍しいですが、そのおかげで青

    第2期決定! 監督に聞いたTVアニメ『小市民シリーズ』の演出術② | Febri
  • 第2期決定! 監督に聞いたTVアニメ『小市民シリーズ』の演出術① | Febri

    ――アニメ化にあたっては、いくつもの挑戦的な演出が施されています。そのひとつとして、編は通常よりもワイドな「シネマスコープ」(※1:2.35の縦横比)となっていますね。 神戸 これは以前からやってみたかったんですよ。映画的な雰囲気を出したかったので、コンテから画面の縦横比を意識して描いています。やってみると、やっぱり画面がグッと締まりますし、チャレンジして良かったと感じています。 ――もうひとつは、会話シーンの「背景チェンジ」です。これは監督のアイデアですか? 神戸 そうです。もともとは『君と僕。』という作品で一度だけ似たようなことをしたんです。キャラクターが心情を吐露するシーンだったんですけど、全体的にトーンが暗かったので、ふたりが電車に乗っているイメージカットを挟み込んだんです。そのときに「これは使えるかも」と思い、それからずっと温めてはいたんですけど、トライできる機会がなくて。

    第2期決定! 監督に聞いたTVアニメ『小市民シリーズ』の演出術① | Febri
  • 『ガールズバンドクライ』シリーズ構成・花田十輝が「バンドもの」で描きたかったこと③ | Febri

    ――SNSに、脚執筆中に「予想外だったこと」があると書いていましたが、それはヒナのことですか? 花田 いえ、それは第1回でお話しした、仁菜を説得するのに5話もかかっちゃったことと、あとは放送後の反響です。思ったより仁菜は嫌われていないな、と。僕はもっと拒絶反応が起きると思っていたんですよ(笑)。 ――そうなんですか! 僕はもう、第1話の時点でものすごく愛せていたので……。 花田 「好き」というよりは「面白がられていた」ような気もするんですけど、でも「愛されているな」という感覚があって意外でした。皆さん、心が広いというか、ストレス溜まっているのかなぁ……(笑)。 ――あはは。花田さんとしては尖った、エキセントリックなキャラのつもりだった? 花田 そんな気持ちだったので、第4話までにルパたちを格的に出せなかったら、キャラクターものとしては厳しい戦いだな、と思っていました(笑)。 ――でも、

    『ガールズバンドクライ』シリーズ構成・花田十輝が「バンドもの」で描きたかったこと③ | Febri
  • 『ガールズバンドクライ』シリーズ構成・花田十輝が「バンドもの」で描きたかったこと② | Febri

    ――前回(第1回)のインタビューからの続きとなりますが、当初、新メンバーのふたりが動き出す予定だった第4話をまるまる使って、花田さんが仁菜を説得する必要があったわけですね。 花田 第4話は安和すばるがメインのエピソードでしたが、「こいつ(仁菜)には『自分の思っていることがすべて正解じゃないんだぞ』と思わせないとダメだな……」と思いながら書いていましたね。そのあとの第5話でようやく前向きになってくれて「仁菜、お前ひとりに5話も使っちゃったよ……」というのが、そこまで書き上げたときの心の底からの感想でした。視聴者の皆さんもおっしゃっていましたけど、「メンバーが全員揃うのが第6話じゃ遅いよ!」と自分でもツッコんでいました(笑)。 ――井芹仁菜というのはそのくらい破格のキャラクターだった。書いている人ですら説得するのが大変って、よっぽどですよね。 花田 でも、吉野弘幸さんと第2話か3話まで放送した

    『ガールズバンドクライ』シリーズ構成・花田十輝が「バンドもの」で描きたかったこと② | Febri
  • 『ガールズバンドクライ』シリーズ構成・花田十輝が「バンドもの」で描きたかったこと① | Febri

    ――まずは作への参加の経緯から教えてください。 花田 もともとは平山さん(平山理志プロデューサー)がサンライズにいた頃、シリーズディレクターの酒井(和男)さんと3人で、フル3DCG作品の企画をゼロから作っていたんです。でも、平山さんが東映アニメーションに移られて、その企画は一度白紙に戻って。そこから東映アニメーションで新しい企画を作り直すことになったのですが「ステージで展開できる、深夜向けアニメの企画にしてほしい」というようなことを平山さんが言い出して、それはどうなんだと(笑)。これまでに近いテイストの作品をやってきていたので、正直なことをいうと、この企画が始まった当初、僕はずっと不機嫌だったんですよ(笑)。 ――うーむ(笑)。 花田 そんな経緯があって「音楽ものをやりたいなら、『バンドもの』だったらやってもいいです」といった提案をしたのをおぼえています。その話は通ったものの、平山さんか

    『ガールズバンドクライ』シリーズ構成・花田十輝が「バンドもの」で描きたかったこと① | Febri
  • シリーズディレクター・酒井和男が振り返る 『ガールズバンドクライ』の画づくり① | Febri

    ――平山プロデューサーから企画の打診があったとき、まずどのようなお話があったのでしょうか? 酒井 現在の「時代性」も含めて、ひとつの「ものの見方」のようなものを今を生きる子たちに示したい。そこに対して、アニメーションでできることがあるんじゃないのか……という話を平山さんから最初に聞きました。だから、まずはそのテーマに沿って、(シリーズ構成の)花田(十輝)さんも交えた3人でブレストをやっていこうか……という感じでしたね。 ――平山プロデューサーは他の取材で「2022年の東京オリンピックのあとの放送になるので、世の中が暗い方向に向かっているかもしれないと考えていた」と話していますが、そこについてはどのように考えていましたか? 酒井 平山さん、花田さんとご一緒した前作(『ラブライブ!サンシャイン!!』)よりはリアリティに重きを置いて企画を進めていこうか、とは話していました。今もそうかもしれません

    シリーズディレクター・酒井和男が振り返る 『ガールズバンドクライ』の画づくり① | Febri
  • 北村翔太郎が初監督作で描きたかった『負けヒロインが多すぎる!』の「空気感」② | Febri

    ――第2回では監督が絵コンテを担当したエピソードを中心に、中盤までのシリーズを振り返っていきたいのですが、まず全話を通して、モブキャラクターの配置や動かし方にこだわりを感じました。 北村 画面の空気感を重視したとき、温水たちとは別の軸で動いているキャラクターにも彼ら、彼女らの物語があるはずなので、そういう部分はちゃんと見せていこうと考えていました。すべて動かしてしまうと作画班が力尽きてしまいますけどね(苦笑)。モブが女の子同士なことが多いのは、アニメーターさんのアドリブです。コンテ段階では「カップル感が欲しい」くらいしか指示を出していないんですけど、結果的に百合要素多めな感じになりました(笑)。 ――百合好きを公言している北村監督の意図かと思っていました(笑)。また、八奈見がべるご飯をはじめ、料理おいしそうに見えることも印象的です。 北村 八奈見はいしん坊なキャラクターなので、料理

    北村翔太郎が初監督作で描きたかった『負けヒロインが多すぎる!』の「空気感」② | Febri
  • 北村翔太郎が初監督作で描きたかった『負けヒロインが多すぎる!』の「空気感」① | Febri

    ――作品の話題に入る前に、まず、北村監督がアニメ業界を志したきっかけを教えてください。 北村 子供の頃からアニメは好きだったんですよ。とくに好きだった作品は『少女革命ウテナ』なんですけど、雑誌やガイドブックを見るのも好きで、スタッフさんのインタビューなどを読んでいるうちに「楽しそうだな」と思って、自然とアニメ業界に行きたいなと考えるようになりました。やるからには監督になりたいと思って、OLMの門を叩きました。 ――演出家としてのイロハを教わった「師匠」のような存在はいますか? 北村 師匠だと思っている方は何人もいるんですけど、中でも密に教わったのは高橋ナオヒトさんと須藤典彦さんですね。子供向け作品に制作進行・演出として携わりながら、いろいろなことを教えていただきました。 ――その頃は、監督になったらどういう作品を手がけたいと考えていましたか? 北村 尖ったドラマ性のある作品をやりたかったん

    北村翔太郎が初監督作で描きたかった『負けヒロインが多すぎる!』の「空気感」① | Febri
  • 白土晴一① 戦闘の描き方を知った『機甲猟兵メロウリンク』 | Febri

    『プリンセス・プリンシパル』『ルパン三世 PART5』など、多岐にわたる作品で設定考証を務め、今や〈リアル〉なアニメには欠かせない存在である白土晴一。その原点に迫るインタビュー連載の初回は「髙橋良輔主義者」としての思いを熱く語る! ――1目はOVA『機甲猟兵メロウリンク(以下、メロウリンク)』です。これは白土さんにとって、どのような意味合いのタイトルなのでしょう? 白土 恐ろしいほど影響を受けた作品です。後に『OBSOLETE』で一緒にお仕事をすることになるのですが、僕は昔から一貫して「髙橋良輔主義者」なんですね。他の方の作品にももちろん触れてきましたが、子供の頃から僕の心を鷲づかみにしていたロボットアニメはやはり『装甲騎兵ボトムズ(以下、ボトムズ)』であり、『太陽の牙ダグラム』だった。『メロウリンク』は『ボトムズ』をミリタリーの方向性に振った感じの外伝OVAで、今回取材を受けるにあたっ

  • 映画『フラ・フラダンス』 水島精二が語る「総監督の“お仕事”」③ | Febri

    福島県にあるレジャー施設・スパリゾートハワイアンズの新人フラガールチームの友情と成長を描くオリジナルアニメ映画『フラ・フラダンス』。念願の“お仕事青春もの”を作りあげた水島精二総監督の“お仕事”はどのようなものだったのか。第3回では、物語のキーとなるアイドル要素が盛り込まれた経緯と、これまでに手がけてきた作品との違いについて語ってもらった。 ――作では日羽(ひわ)がアイドル「いついろディライト!!」のステージを見て元気をもらい、後半の展開につながっていきますが、このステージはまるで別のアイドルアニメが始まったかのようでした。 水島 アイドルに行き着いたのは半ば偶然でした。制作途中、映画として飛躍させるために何か変化を描きたくて、そこに収まるピースをずっと探していたんです。主人公の日羽が「こういう新しいフラをやろうよ」とみんなに提案する姿を見せることで彼女の成長を描こうと思っていたのですが

  • 映画『フラ・フラダンス』 水島精二が語る「総監督の“お仕事”」② | Febri

    福島県にあるレジャー施設・スパリゾートハワイアンズの新人フラガールの友情と成長を描くオリジナルアニメ映画『フラ・フラダンス』。念願の“お仕事青春もの”を作りあげた水島精二総監督の“お仕事”はどのようなものだったのか。第2回は、初めてタッグを組んだ吉田玲子の脚の魅力を解き明かすとともに、作品に現代らしさを取り入れる秘訣を聞いた。 ――『フラ・フラダンス』のスタッフにはキャラクターデザインのやぐちひろこさんや音楽チームなど、水島さんとのお仕事で信頼の厚い方々がそろった一方で、脚の吉田玲子さんとは初タッグでした。 水島 吉田さんの脚は「優しい」んですよね。これは吉田さん特有のものだと思います。今まで組んできた脚家は「さあ、お前はこれをどう演出する?」と斬りかかってくるような感じなんですよ(笑)。そういう鍔迫り合いをしながら押し返していく仕事も、それはそれでやり甲斐があるけれど、吉田さんの

  • 映画『フラ・フラダンス』 水島精二が語る「総監督の“お仕事”」① | Febri

    福島県にあるテーマパーク・スパリゾートハワイアンズの新人フラガール達の友情と成長を描くオリジナルアニメ映画『フラ・フラダンス』。念願の“お仕事青春もの”を作りあげた水島精二総監督の“お仕事”はどのようなものだったのか。第1回では、作品を手がけることになったときの心境と、舞台となったスパリゾートハワイアンズの魅力を語ってもらった。 ――『フラ・フラダンス』は「ずっとおうえんプロジェクト2011+10…」(東日大震災から10年の節目となる2021年に、岩手県、宮城県、福島県をそれぞれ舞台とするアニメ作品を制作し、地域の魅力を伝えるプロジェクト)のひとつとして企画されたそうですが、たずさわることになったとき、どのように受け止めましたか? 水島 2011年の震災は同じ日に暮らす者として他人事ではありませんでしたから、非常に心を痛めましたし、我々エンターテインメント業界の人間に何ができるのだろう