――『【推しの子】』では、キャラクターそれぞれの演技もハマっているように思いました。演技におけるディレクションでこだわった部分はありますか? 平牧 感情の切り替えが速く、振り幅が大きい作品なので、切り替えが難しい部分はありました。そこは気をつけつつ……たとえば、会話のテンポ感にしても、退屈しないように考えました。 ――たとえば、第6話~第7話で見せる黒川あかねの演技なども、繊細さの中に見える芯の強さが、のちの彼女の存在感につながっていくと感じました。 平牧 石見(舞菜香)さんはお上手ですし、彼女がアイ化するのは原作を読めば把握できることなので、物語の展開も含めてあまり細かいことは言いませんでした。「もうちょっと明るく」などの調整をお願いしたくらいですね。それは有馬役の潘(めぐみ)さんもMEMちょ役の大久保(瑠美)さんも同じです。オーディションのときに皆さんの声の特徴とキャラクター性を考えて