小説を商業出版することになり、これまで自分で書いて見直すだけだったのが、編集者・校正者による校正・校閲のプロセスを初めて体験した。その過程で差別語・差別表現に関しての指摘を受けて、改めて自分の中での判断について少し整理しておきたいと思った。 ある言葉が持つニュートラル、ネガティブ、ポジティブの三相を同時に見ないと、「その言葉をここで使うのが適切か」は判断ができないけれど、三相のうち一面しか見なかったり知らなかったりすると正確に判断ができなかったり、話が噛み合わなくなったりする。 指摘を受けた点1 「発狂」や「狂人」に指摘が入った。 江戸時代に実在したという届出「発狂扱ひ」に言及した箇所に指摘が入った時はどうしようかとも考えて、「精神状態の異常による行動という届け出」と言い換えた。 明治時代に精神障害者が「狂病者」と呼称され、「狂」に否定的・差別的な意味あいが付与されてきた。1970年代に「
成人向けアニメの老舗ブランド「PinkPineapple(ピンクパイナップル)」を展開するSoftgarage(東京都渋谷区)は、ピンクパイナップル公式サイトでVisa/Masterカードは利用できなくなると発表した。4月12日午後5時をもって取り扱いを終了する。 同社は「(前日の)11日以降はVisaカード、Masterカードでの買い物を行わないように」と注意喚起するとともに、JCBカードへの変更を呼び掛けている。 公式サイトでは、アニメ作品や関連グッズの販売などに加え、月額2000円で過去作品が見放題になるサブスクリプション型サービスを提供している。見放題サービスの決済に両カードを登録している場合、12日午後5時までは契約の更新(継続決済)が可能だが、午後5時以降は決済エラーとなり、サービスは自動で解約となる。 Softgarageは「諸般の事情」としているが、ここ数年は米国のクレジッ
台湾のデベロッパーGlass Heart Gamesが手がけたアクションゲーム『Vigil: The Longest Night』が、先月7月に一部地域を除き突如配信停止となった。この件について同スタジオは8月10日、弊誌の問い合わせへの返信の中で声明を発表。またSNS上にもほぼ同内容の声明を投稿し、本作が配信停止となった背景を説明した。 『Vigil: The Longest Night』は、狂気の闇に包まれた世界を舞台にする2Dアクションゲームだ。『悪魔城ドラキュラ』や『Salt and Sanctuary』から影響を受けていることが公言されており、また「クトゥルフ神話」で知られる作家H.P.ラヴクラフト風の散文や、開発元の拠点である台湾の文化、そして中国の剪紙から影響を受けたアートを融合させた世界観が特徴である。 本作では、夜警と呼ばれる任務に就く主人公レイラが、地域にはびこる悪魔の
「クリエイターアカウント停止に関する事前のご連絡」──ファンコミュニティサイト「pixivFANBOX」の一部ユーザーが12月22日から、「ピクシブから警告が来た」とSNSなどで報告し始めた。問題のある投稿があるため26日にアカウントを停止するという内容で、主に3DCG作品を投稿しているユーザーが受け取っている。 報告者数は多くないが、Twitterでは「恐れていたことが現実になりました」「切腹を言い渡されました」「もう更新もできないな」といった反応が見られた。 ピクシブは15日に「BOOTH」や「pixivFANBOX」「pixivリクエスト」といった決済機能を持つサービスの規約を変更。実写や実写に近い写実的な作品などのうち、児童ポルノやレイプ表現などを含むものを“禁止表現”とした。 同社によると、写実性の高い作品は「禁止商品」とみなし、商品の削除やアカウント停止などの措置をとるとしてい
漫画「ろくでなしBLUES」「ROOKIES」などの原作者である「森田まさのり」氏のツイートが話題になっている。同氏曰く「人を殺すシーンは描いていいけど、タバコを吸うシーンを描くと文句言う人がいる不思議」とする疑問をツイートした。同氏は過去にセーラー服を着た女子高生がタバコを吸っているカットを無断で修正された経験があることを明かしている(森田まさのり氏のツイート、J-CAST ニュース)。 リアルライプによると、この森田氏の発言に関してはTOKYO MXのテレビ番組「バラいろダンディ」でも取り上げられたという。ゲスト出演した洋画家の中島健太氏は「このまま行くと殺人シーンまでダメになりそうで、表現者サイドからすると若干危機を感じてますね」と話し、また「表現の中である程度ダメさを描く必要」があるとした上で、「極端に倫理的なところを抑え付けるのはグレーゾーンがなくなっちゃう」するコメントも出して
三才ブックスが「ラジオライフ」10 月号の特集記事「鳥取県に有害図書指定の理由を聞いてみた」の全文を PDF で無料公開している (ラジオライフからのお知らせ)。 発端は 2 月に書籍「アリエナイ医学事典」が Amazon から消えたことに著者が気付いたことだ。さらに書籍「アリエナイ工作事典」とラジオライフ別冊ムック「裏グッズカタログ2022」も Amazon の検索にヒットしないことが判明して問い合わせると鳥取県の有害図書指定 (県公報: PDF) が理由だという回答があったという。鳥取県では 2021 年の条例改正で有害図書の販売禁止対象がインターネット通販にも拡大されており、アマゾンジャパンではサイト掲載停止の判断に至ったようだ。 鳥取県に問い合わせても埒が明かないため、公文書公開請求を行ったところ、県サイトで公開されている審査部会の会議概要が公式の議事録として送られてきたとのこと。
日本共産党が10月6日に公式サイト上で公開した2021年総選挙政策紹介ページで漫画・アニメ・ゲームに対する規制を訴えているのではないかと批判されている問題。「共産党が表現規制に舵を切った」と見る向きも多いが、これまでの主張とどういう変化があるのだろうか。(取材・文=昼間たかし) 問題となっているのは政策紹介ページの「女性とジェンダー」を扱う項目だ。ここで、日本共産党は漫画・アニメ・ゲームを用いた「ポルノ表現」を「いわゆる『非実在児童ポルノ』」とし「現実・生身の子どもを誰も害していないとしても、子どもを性欲や暴力の対象、はけ口としても良いのだとする誤った社会的観念を広め、子どもの尊厳を傷つける」ために「子どもを性虐待・性的搾取の対象とすることを許さない社会的な合意」をつくっていくとしている。 これをもって、表現物への規制を主張しているのかと思いきや、文化政策の項目では「『児童ポルノ規制』を名
「だいたい自民党が悪い(笑)」のに自民党から出馬をした理由 ――赤松先生のこれまでの活動実績を見ると、別に政治家にならなくても成果を残してきたように思います。なぜ参院選に出馬するのでしょうか。それも、自民党から。これまでマンガを規制しようとしてきたのは自民党でした。 赤松 だいたい自民党が悪いんですよ(笑)。おっしゃるとおり、これまで自民党はマンガを規制したい人たちの集まりみたいな感じでした。だから日本漫画家協会は、野党に陳情して、表現規制に繋がる法案に反対してもらっていました。 野党に陳情に行くだけでなく、ヒアリングに招かれたり、われわれの立場から説明をしたり……。当時の民主党にお願いにいくと、枝野幸男さんなんかはすごく味方してくれましたよ。 様子が変わってきたな、と感じたのは去年の衆院選(2021年10月)のあたりからです。 ――どのように変わりましたか? 赤松 その頃、野党の方々が、
『ラブひな』のヒットで「少年マガジン」表紙の不文律が変わった ――赤松先生がマンガ家としてデビューされたのはいつですか? 赤松 週刊連載のデビューは『A・Iが止まらない!』で、1994年です。 ――「週刊少年マガジン」が「週刊少年ジャンプ」(集英社)を抜いて発行部数トップに返り咲いた頃ですよね。 赤松 それは1997年のことですが、当時は『GTO』(藤沢とおる)や『金田一少年の事件簿』(原作:天樹征丸、作画:さとうふみや)などが連載され、掲載作品が次々とメディア化された時期です。 編集部全体が「日本一だ!」と色めき立っていましたね。「カーディガンを肩に巻いた業界人」じゃないですけど、編集者が颯爽と歩いていましたよ(笑)。 ――いまでこそ「少年マガジン」にはラブコメ作品が数多く掲載されていますが、ヤンキーマンガが全盛の当時としては赤松先生の作品は異色でした。 赤松 それまで「少年マガジン」の
Q 共産党は創作物に対する表現規制の容認(賛成)に舵を切ったのですか? 「女性・ジェンダー」と「文化」政策は矛盾していませんか? A 「7、女性とジェンダー」での記述にあるように、日本共産党は、児童ポルノは「性の商品化」の中でも最悪のものであり、児童に対する最悪の性虐待・性的搾取であって、社会からなくしていかなければならないと考えています。 同時に、「60、文化」の項にあるように、「児童ポルノ規制」を名目にしたマンガ・アニメなどへの法的規制の動きには反対です。 今回、「女性とジェンダー」の政策の中に、児童ポルノの定義を「児童性虐待・性的搾取描写物」と変えるとあることをもって、これまでの方針を転換し、マンガやアニメなどの表現物・創作物を法的規制の対象にしようとしているとの理解が広がっていますが、そうではありません。 「児童ポルノ」という言葉については、日本共産党は従来から、被害実態をより適切
参議院議員山田太郎氏(撮影=編集部) 31日投開票の衆議院選挙に際し、日本共産党が公表した「2021総選挙政策」の中で、「非実在児童ポルノ」に対する取り組みに言及した。このことについて、前編に続き、自由民主党参議院議員の山田太郎氏の見解を以下、掲載する。 2016年ブキッキオ報告の顛末 まず、国連人権理事会・女子差別撤廃委員会の基本的なロジックを整理します。女子差別撤廃委員会は、「マンガ、アニメ、ゲームそれ自体が、女性に対する性暴力を助長させている」「その原因が女性に対する固定的な概念」にあると強く訴え、「日本はマンガ、アニメ・ゲームを規制せよ」と訴えています。 「犯罪を誘発する可能性がある」というのがその根拠です。この“根拠”について、私は岸田文雄外相(当時)に質問したのですが、岸田外相は「根拠のないものは根拠を求める」と答弁しました。 また、「マンガ、アニメそれ自体が人権侵害だ」という
参議院議員山田太郎氏(撮影=編集部) 31日の投開票が迫りつつある衆議院議員選挙。与野党がそれぞれに公約を掲げ、論戦を繰り広げる中、インターネット上を騒がす一つの論点が浮上した。日本共産党が公表した「2021総選挙政策」の中で、「非実在児童ポルノ」に対する取り組みに言及したのだ。ネット上では「アニメ、マンガなどの創作物の表現規制につながるのでは」と不安視する声が相次いだ。 共産党はこれまで一貫して表現規制に反対する立場を取っていただけに、大きく注目を集めた。ネット上での騒動を受け、共産党は18日、公式サイトで以下のような公式見解を表明した。議論の重要な部分であるため、長文だが引用する。 「『7、女性とジェンダー』での記述にあるように、日本共産党は、児童ポルノは『性の商品化』の中でも最悪のものであり、児童に対する最悪の性虐待・性的搾取であって、社会からなくしていかなければならないと考えていま
講談社ヤングマガジンで連載中のイラスト作品「月曜日のたわわ」の全面広告が、4月4日発売の日経新聞全国版に掲載されたことが波紋を呼んでいるという。コミックナタリーの記事によれば、広告の趣旨は4月4日は新入社員が最初に迎える月曜日であることから、元気になってもらうために全面広告を出したとされる(ハフポスト、コミックナタリー)。 ところがハフポストによると、ニューヨークのUN Women(国連女性機関)本部から広告を容認できないとする書面が日経新聞に送られたという。UN Women曰く、ジェンダー平等を推進す「アンステレオタイプアライアンス」と呼ばれる取り組みに反するものであると主張しているとのこと。 こうしたUN Womenの抗議に関しては国内から反発も出ている。漫画家の赤松健氏が16日、この件に関する抗議表明を行っている(赤松健氏のnote、よろず〜ニュース)。世界陸上2大会銅メダリストでコ
日本共産党が10月6日に公式サイト上で公開した2021年総選挙 政策紹介ページにおいて、漫画、アニメ、ゲームを使ったポルノ表現について、一定の規制に前向きな立場を表明したことが議論を呼んでいます。 (画像は日本共産党公式サイトより) 話題となっているのは、「女性とジェンダー」にまつわる政策を扱った項目。漫画、アニメ、ゲームを使ったポルノ表現を「いわゆる『非実在児童ポルノ』」と呼称した上で、「現実・生身の子どもを誰も害していないとしても、子どもを性欲や暴力の対象、はけ口としても良いのだとする誤った社会的観念を広め、子どもの尊厳を傷つける」として、「子どもを性虐待・性的搾取の対象とすることを許さない社会的な合意」を作るため、幅広い関係者と取り組んでいくとしています。 一方で文化政策のページでは「『児童ポルノ規制』を名目にしたマンガ・アニメなどへの法的規制の動きに反対します」との記述があり、ネッ
KADOKAWAは7月27日、AbemaTVの報道番組「ABEMA Prime」での発言を巡り、夏野剛社長が役員報酬の月額20%を8月から10月まで返上すると発表した。本人から申し出があったため、受理したという。同社は一連の発言について「当社の社長として不適切。番組内での発言は当社の事業方針とは関連性がなく、本人も深く反省している」とした。 夏野社長は21日、少年向け雑誌の水着グラビアについて、番組内で「日本には水着グラビアよりも過激な漫画があふれており、GoogleとかAppleの審査に通らない」「僕がいる出版業界は“自由派”ばかりだが、どこまでは公共でよくて、どこからダメなのか。このネット時代にふさわしい基準を作り直さないといけない」などとコメント。業界における表現規制の推進を示唆した。 この発言に対し、Twitterでは「公共の基準が“GAFA”になるのはいくらなんでも乱暴」「Goo
6月22日にKADOKAWA代表取締役社長に就任した夏野剛氏が「マンガの過激な性表現」の見直しを行う方針であると話したことで話題となっている。ABEMA TVで報道された番組上で少年誌の表紙に使用された水着グラビア写真がエロすぎるという話題からこの発言が出る流れになったようだ(ABEMA(該当する発言は29分頃から)、ABEMA TIMES、Togetter)。 具体的に発言内容は以下の通りとなっている。 グラビアよりも過激なマンガが日本は溢れている。で、それも含めてよくGoogleとかAppleの審査に通らないんですよ、日本のマンガとかって。だから、それも含めてちゃんと、どこまではやっぱり公共でいいんだけど、どこからはダメというのを、やっぱりもう一回このネット時代にふさわしく、ちょっと基準を作り直さないといけないのかなと感じますが、僕がいる出版業界は自由派、自由派ばっかりなんだけど、なん
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