[ワシントン 27日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 世界貿易機関(WTO)の紛争処理機関で、最高裁の判事に当たる上級委員会の委員任命を米国が拒否していることに伴い、来年は上級委が機能不全に陥ってしまうかもしれない。 それでも米国や中国、欧州連合(EU)などは貿易上の紛争を巡って、WTOに申し立てなくても、お互いに譲歩を引き出せる。しかしパナマやモルドバなどの小国は、WTOに頼る以外に解決策を持ち合わせていない。 WTOの上級委は7人の定員から3人が選ばれて審理を行う。ただ米国が2016年以降任命を拒んでいるため、現在は委員が3人しかいない。このうち2人の任期は来年12月までだ。もし中国出身のHong Zhao氏が、中国が関係する案件について審理担当を辞退せざるを得なくなると、上級委は審理に必要な人数を欠いてしまう。