先生と生徒の恋愛なんて、フィクションではもうありきたり過ぎて、キスしたって、エッチしたって、読者は何の罪悪感も想像できなくなっているけれど。(ちなみに、特に断りがなければ「先生」は男性教諭、「生徒」は女子生徒のことを指します) しかし実際の先生と生徒の関係において、一線を越えるのはまずいんですよね。よく考えてみれば当然すぎるそのことに、本書を読んで気づかされました。 フィクションは知らず知らずのうちにリアル(その感覚)を侵食する、そのことはやはり肝に銘じておかなければいけません。 家庭に問題を抱えた生徒がいて、情に厚い先生がいる。彼女のことをなんとか救いたいと、熱心に相談に乗っているうち、彼女が先生に好意を寄せるようになった。 ついに家族に見放され、居場所のなくなった彼女を、仕方なく先生はいっとき自宅に住まわせる。生徒の生きる意思を維持するのに、もはや言葉による説得は無意味で、自身少