1967年、大江健三郎が32才の時に書かれた長編小説。前作から3年のブランクを経て、大江にとって30代初の長編作品であり、代表作品でもある。 1960年代の愛媛の谷間の村を舞台に、内向する主人公と活動的な弟との対比を描く。 障害者の子が生まれ、友人を自殺で亡くした主人公夫婦は、アメリカから帰ってきた弟に誘われて、谷間の村へと帰郷する。弟は、100年前に一揆を主導した曾祖父の弟と自らを重ね合わせながら、村の若者たちのリーダー的存在になっていくのに対して、主人公は弟の行動から目を背けていく。 今年になって、大江健三郎作品をいくつか読み始めている。 大江健三郎『芽むしり仔撃ち』 - logical cypher scape2 大江健三郎「セブンティーン」他(『大江健三郎全小説3』より) - logical cypher scape2 『万延元年のフットボール』については、2009年に一度読んでい