タグ

ブックマーク / rainydesert.jugem.jp (8)

  • ねじれ双角錐群『故障かなと思ったら』 | 水平線上の雨

    公式ページはこちら 。全自動ムー大陸さんの表紙絵が精神をざわざわさせてくれます。 取扱説明書SFアンソロジー。読む前は「取説SF……?」となったけど、読み終わってみれば取説SFとしか言いようがない作品が揃っていました。毎回思いますがアンソロジーのテーマ選定が絶妙ですね。 あとこれも毎回言っている気がしますが、今回も完成度が高く、いくつもの新鮮な驚きがありました。とにかくむちゃくちゃ面白い、何を読まされているのかわからないけど凄い、言葉にできないけど凄い。そういった感覚が毎回塗り替えられるのは嬉しい限り。結論:ね群は凄い!(語彙ぃ) 以下個別感想ネタバレあり。 01 『森/The Forest』 石井僚一 抒情SF。レイ・ブラッドベリの短編『みずうみ』をもとに書かれているそうですが残念ながら未読です。個人的には終盤の語り手自身が問われる展開から『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を連想しま

    ねじれ双角錐群『故障かなと思ったら』 | 水平線上の雨
    murashit
    murashit 2022/12/31
    ウオオオオオッ!!!!!
  • アーシュラ・K・ル=グウィン『風の十二方位』 | 水平線上の雨

    風の十二方位 ハヤカワ文庫 / アーシュラ・K・ル=グウィン 【文庫】 評価: 価格: ¥ 1,254 ショップ: HMV&BOOKS online 1号店 短編集。同様に短編集である『オルシニア国物語』と比べると初期作品が多いとのこと。各話についての作者解説付き。 総評としては、諸方面から何様だと怒られそうだけど、やはり語りが素晴らしい。力強いというか。特に『セムリの首飾り』にワンセンテンスで時間と空間が飛躍するような表現があり、読んでいてくらくらした。あと個人的に『ゲド戦記』が原風景ということもあり、そこここでアースシーの世界観の萌芽や、暗闇に沈む洞窟を進む手応え、息遣いが感じられてとてもよかった。故郷の空気を吸ったみたいな喜びがあった。半面合わない作品もいくつかあって、特に気になったのは、物語がどこまでも知性に基いているからか、性、衝動、感情の描写が弱く感じられる点。でもたぶんこれは

    murashit
    murashit 2022/12/01
  • 伴名練=編『新しい世界を生きるための14のSF』 | 水平線上の雨

    新しい世界を生きるための14のSF (ハヤカワ文庫JA) [ 伴名 練 ] 評価: 価格: ¥ 1,496 ショップ: 楽天ブックス 総評。分厚い。14も収録すればそうなるよね、という鈍器的な厚み。そして情報量が多い。収録作品はもちろんのこと、編者の伴名練氏による解説がテーマごとの作品紹介となっており、気になるテーマで挙げられてるの読んどけば間違いなし、指南書的な役割を担っている。SFの今と、そこに至るまでに経緯を知ることができる導入として、他にないになっているのでは。私はそんなに読まないのでわかりませんが。 以下、比較的好きなものについて各作品感想を。敬称略ネタバレあり。 八島游舷『Final Anchors』 自動運転AI調停小説。発想が面白いし、やりとりが一秒に満たない時間で行われているというのもうまい。そして政治とか社会背景とかバックボーン匂わせてくる小説楽しい。続きが読みたい

    murashit
    murashit 2022/09/23
  • ねじれ双角錐群『無花果の断面』 | 水平線上の雨

    BOOTH にて注文しました。毎日お祈り(ブラウザでページ更新)をしていたら祈りが届き、加護はの形で発送され手元に届きました。ありがとうございました。 テーマは「群れ」。サークル名回収。最終回じゃないですよね? 今回も、読んでいるだけで脳の普段使わない部分が熱を持って疼くようなハイレベルの作品揃いでした。以下ネタバレあり個別感想、敬称略。 01『教室』石井僚一 詩。かっこいい。A〜Zの字面、一連ごとにバトンを渡していくような穏やかなリレーから、突如として走る緊張感、緩急のつけ方。今とはいつか、ここはどこなのか、彼らは誰なのだろうか。読み手の私もまたAの孤独を媒介にして席に着いている。浮いているように見える個々ですらも包みこみ、それは一塊の群れとして存在する。全体の伏線となるような、冒頭に置かれるのにふさわしい一篇でした。 02『マーズ・エクリプス』 笹帽子 好き。ゆる系四コマ的三人百合

    ねじれ双角錐群『無花果の断面』 | 水平線上の雨
    murashit
    murashit 2021/12/31
    うおおおおおおお!!!!!
  • ストレンジ・フィクションズ『夜になっても遊びつづけろ よふかし百合アンソロジー』 | 水平線上の雨

    よふかし百合アンソロジー/収録作あらすじ紹介 amazon で購入しました。アンリミで読み放題らしいです。 「夜ふかし」をコンセプトに組まれた百合小説&まんが合同アンソロジー。豪華執筆陣、珠玉の作品揃い、各話に扉イラストつき、売上は寄付されるとのことですがこれ当にワンコインでいいんですかという内容になってます。 もう「夜ふかしをコンセプトにした百合」って時点で面白いに決まってるじゃん、と思って読んだら予想以上に面白かったです。読み終わって全作品好きだなと思ったのは久しぶりでした。これはすごいアンソロジーですよ。というわけで以下ネタバレあり感想、作者名敬称略です。 織戸久貴『綺麗なものを閉じ込めて、あの湖に沈めたの』 夜ふかしミステリ百合。偶然出会った少女二人が走ったり謎解きしたりする、王道(?)百合です。 「夜ふかし」と聞いて思い出される感覚がほぼ完璧に描かれていて、のっけから最高かよと

    ストレンジ・フィクションズ『夜になっても遊びつづけろ よふかし百合アンソロジー』 | 水平線上の雨
    murashit
    murashit 2021/07/11
    ありがたい……(2)
  • ねじれ双角錐群『来たるべき因習』 | 水平線上の雨

    なんか久しぶりにブログ書こうと思ったらAmazonの紹介ができない。Kindle版のリンクは こちら です。表紙かっこいいよ。 テーマは奇祭SF。単純に「祭」よりはタイトルの「因習」がしっくりくる作品が多く、もっと土着信仰とか謎宗教儀式とか来るのかなと思ってたらしっかりSFだった印象。刺激的で楽しく読みました。 以下、各話感想。著者名敬称略です。 『UMC 2273 テイスティングレポート』cydnianbanana 架空のウイスキー八についてのテイスティングレポート。 色、香り、味、余韻は詩のようで、その先に語られるエピソードも緻密で美しい。ウイスキーについて描かれているはずのそれらは伏線を生み、束ねるように最後の一に収束していく。永久に続く回廊で迷子になったことに気づくような衝撃。しかし同時に私は強く願ってしまう、迷子になってもいいから、ここにあるウイスキーが飲みたい! 『ハレの日

    ねじれ双角錐群『来たるべき因習』 | 水平線上の雨
    murashit
    murashit 2020/12/31
    うおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!
  • 『紙魚はまだ死なない』 | 水平線上の雨

    特設サイトはこちら→ 『紙魚はまだ死なない - リフロー型電子書籍化不可能小説合同誌』 BOOTHで購入し、こんなご時世にもかかわらずむちゃくちゃ早く発送いただきました。読むのが遅くなってしまって申し訳ないくらい。 まずは個別の感想を。ネタばれあります。 ・春霞エンタングルメント/cydonianbanana 一作目から最高かと。段組によってここまで精緻な表現が可能なのか、段組を見ただけで心動かされることがあるのかと驚きました。同時進行かと思いきや四十分の時差とかトリッキーにもほどがある。あと中段がいい仕事してる。二人のやりとりに挿しこまれる叙情、補完される世界観、二人の背景。○○の人のくだり、好き……。不穏な流れからページ捲ったらトマパート途切れてるの見て泣きそうになったんだけど、寝てただけだったという。寝てるのかよ! そして読み進めるにつれ未知の世界が広がっていき、これぞSFの醍醐味だ

    『紙魚はまだ死なない』 | 水平線上の雨
  • ねじれ双角錐群『心射方位図の赤道で待ってる』 | 水平線上の雨

    待チ人ハ来ズ。 {だから│されど│そして} ぼくらは。 神待ち——寄る辺ない少女がインターネット掲示板で自分を泊めてくれる存在を探すことを意味したその言葉が、いつしか文脈を逃れ、眠らない街を闊歩する。 現代、未来、そして別世界に、まだ見ぬ出会いを透視する淡い待望。文芸同人ねじれ双角錐群がSFと幻想の視座から祈りを再定義する第四小説誌! サイトは こちら 。私は BOOTH にて注文しました。神待ちを待っていたら神待ちは発送されポストに投函された。今回もクオリティ高い面白い作品ばかりでした。電子化期待! 01『神の裁きと訣別するため』 murashit 箇条書きいいですね。テンポがいい。インデントも効果的だし、語りかける文体も相まってとても読みやすい。そもそもメインにじゃんけんの三拍子を持ってくる時点で強い。読みながら音楽的な要素を感じ、絶妙なバランス感覚をもって作られている印象を受けました

    ねじれ双角錐群『心射方位図の赤道で待ってる』 | 水平線上の雨
    murashit
    murashit 2019/12/12
    うおおおおおおおおお!!!!!!
  • 1