2007年10月26日~11月11日に千葉・幕張メッセで,「東京モーターショー2007」が開催された。40回目にあたる今回は,試乗などの体験イベントに力を入れていた。本稿では,車載型の地上デジタル放送受信端末や,映像を意識したカーナビゲーションシステム端末などを中心に,車載端末の進化を探ってみた。 国内の新車販売の不振が目立っているが,今回のモーターショーではハイブリッドタイプや省エネをテーマにしたコンセプトカーの展示が盛んだった(写真1)。特に目をひいたのが,地上デジタル放送を受信できるカーナビ一体型端末や車載用受信機である。現在の地上デジタル放送の受信可能エリアは,全世帯の90%程度まで広がってきている。自動車メーカーが標準搭載する機器にも,地上デジタル放送の受信を車内エンターテインメントの中心に据えるようなタイプが増えてきた。 多彩な車載端末の展示が相次ぐ ケンウッドは,地上デジタル
「国内需要を喚起するきっかけにしたい」――。11月11日まで千葉市の幕張メッセで開催する東京モーターショー。2年ぶりの開催となる今回は、極度の国内需要不振に見舞われている日本車各社が、何とか消費者のクルマ離れを食い止めようとする姿勢が鮮明になっている。 今の国内新車需要は目を覆うばかりの惨状だ。18日には日本自動車工業会の張富士夫会長が、2007年の需要が年初見込みの563万台(前年比2%減)を下回り、5%程度の減少になるとの見通しを示した。これは1985年以来、22年ぶりの低水準である。 環境技術は当たり前の時代 世界各地で開かれる近年のモーターショーでは最先端の環境技術や安全技術を前面に押し出すメーカーが多い。しかし、「環境や安全対策はマイナスをプラスにする技術。取り組んで当然という時代になった」(マツダの金井誠太専務執行役員)。国内の需要喚起のためには、環境規制のクリアや社会的責任を
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン Ian Rowley (BusinessWeek誌、東京支局特派員) 米国時間2007年10月10日更新 「Prime Time for Japan's Automakers」 巨人トヨタ自動車(TM)を筆頭に、日本の自動車メーカーが好調だ。今年8月には、世界最大の自動車市場である米国で日本車のシェアが37.5%に達した。前年同期の36.5%から順調に拡大したわけだ。トヨタは今年、米ゼネラル・モーターズ(GM)から自動車メーカー世界一の座を奪う見通しである。 トヨタだけでなく、日本勢全体でも黒字・増収を果たしている。2007年3月期決算における主要9社の売上高は合計4860億ドルで前年度比8%増、営業利益は合計366億ドルで12%増だった。
ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーが全米自動車労働組合(UAW)と今後4年間にわたる新労使協約に調印することで合意に達した。フォード・モーターも近いうちに、同じような内容で合意に達すると予想されている。その結果、日本の自動車メーカーは、米国市場において、これまでのように安穏とはできなくなるだろう。 なぜなら、今回の協約改定によって、日本勢とビッグスリーのコスト競争力の格差が確実に詰まるからだ。ミシガン大学・自動車研究所のデビット・コール教授によれば、これまでGMはトヨタ自動車に比べ、医療費や年金などの支出で、クルマ1台当たり約4000ドルの負担増を強いられていた。しかし、今回の改定によって、それが約800ドルまで縮まるという。 トヨタとGM、時給は逆転する 今回の合意内容のうち、ビッグスリーの経営に与える影響が最も大きいのは、「任意従業員福利厚生基金(VEBA)」の設立が決まったこ
総合塗料最大手の関西ペイントは5月,自動車補修用塗料の配合情報を検索できるシステム「Hi!Goクイック」の稼働を開始した。自動車塗装工場向けに導入を進めている。おサイフケータイの機能を活用し,簡単に配合情報をハカリに転送できるようにすることで塗装現場の省力化を図る。 「自動車を擦って傷付けてしまった!」──。そうしたときに活躍するのが自動車補修用塗料だ。塗料メーカーが提供する塗料を車種,カラーごとに決められた比率で混ぜ合わせることで,自動車の塗装と同じ色を再現する。 写真1●システム構築を担当した関西ペイントの信藤健一・経営企画室情報システム部担当部長(左),関西ペイント販売の平田信人・取締役自動車補修塗料本部副本部長(中),森野光治・自動車補修塗料本部調色技術部1G(大阪)課長(右) ただし,自動車の色の再現は,決して簡単な作業ではない。自動車の車種,カラー・バリエーションが年々増え続け
石川県と福井県の県境。近くには柴山潟湖畔にある片山津温泉や福井県側では福井唯一の大規模な温泉地である芦原温泉がある。いずれも湿地帯に湧き出た温泉ということでも分かるように、周囲は見渡す限りの田園地帯だ。 その田んぼの一角に真新しい建物が忽然と現われる。周囲と全く溶け込まない何とも不思議な光景である。付近を行き交う人たちも、ここで何が作られているかほとんど知らないに違いない。 建物の中に入ると、大きな部屋に大型のディスプレーがついたパソコンを置いた机がずらりと並んでいて、20人以上の社員がパソコンに向かって黙々と作業を続けている。その部屋を抜けて工場に行くと、金属や木材らしきものを削ったり、削った部材を組み立てて何かの骨組みを作ったりしている。 組み立て精度は日本の自動車産業の生命線 会社の中もあまり見慣れない風景だが、実はここ、日本の自動車産業の成長を支える重要な製品を作っている。検査ゲー
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 中国で自動車の販売競争が熾烈さを増してきた。昨年の総販売台数(トラックなど商用車を含む)は約720万台に達し、日本を抜いて米国に次ぐ世界第2位の市場に躍進。5年目に入った10%台の経済成長を追い風に、個人のマイカーブームが拡大している。今年1~3月の乗用車(SUV=スポーツ・ユーティリティー・ビークルを除く)の販売台数は約112万台と、前年同期比30%の伸びを記録した。 こうした市場の急拡大にもかかわらず、メーカーの表情は険しい。というのも、ここにきて新車の値下げ競争に拍車がかかっているからだ。 日系各社が小型車ラッシュ 米ゼネラル・モーターズ(GM)の合弁会社で、乗用車のメーカー別シェアで首位に立つ上海GM。同社は3月2日、最量販車種「ビュ
燃料で変わる自動車(後編) 田中太郎、相馬隆宏(日経エコロジー)、高田憲一(日経ものづくり) イラスト/大寺 聡 (前編はこちら、中編はこちらからどうぞ) ホンダが環境技術やパワートレイン(エンジンやモーター、燃料電池などの駆動系)の開発を説明する際、繰り返し示してきたグラフがある。3本の線が描かれたもので、自動車業界では「ホンダの3本線」と呼ばれる(下の図)。シンプルなグラフだが奥が深い。 ホンダは環境・エネルギー面での課題を3つに整理し、課題の大きさが時系列でどう変化するかを示した ホンダは3本線で課題を整理 環境・エネルギー問題に直面している自動車産業の課題を、まず「大気環境」「温暖化」「エネルギー」の3つに分類。その深刻度や影響の大きさを縦軸とし、横軸には時間軸を採っている。そして、現在は排出ガスなどの「大気環境」問題の解決が見えつつあり、温暖化問題が急激に立ち上がって
交渉相手については明言を避けたが、巨額の資金を持つ米サーベラスと米ブラックストーンの投資ファンド2社が有力候補の一角に名を連ねている。5日には昨夏に米ゼネラル・モーターズ(GM)の大株主としてGMと日産自動車・仏ルノー連合との提携を画策した米投資家カーク・カーコリアン氏が率いるトラシンダも名乗りを上げた。カーコリアン氏は1995年にもクライスラー買収案をぶち上げた経緯があり、今回は2度目の挑戦だ。 4月中に交渉相手を1社に絞り込むとされるクライスラーの売却問題はここにきて混戦の度合いを強めているが、もう1社、異色の候補がいる。カナダに本社を置く自動車部品大手、マグナ・インターナショナルだ。 日本ではほとんど無名 その名は日本ではほとんど知られていない。日本メーカー向けの売上高比率は4%台。拡販を狙って2005年からトヨタ自動車(7203)やホンダ(7267)など日本車大手に対し、個別に技術
「自動車や魚の絵を描いてみてください」――。こう言われたらどんな絵を描くでしょうか。読者の多くは、横から見た絵を描くでしょう。自動車だったらドアのある側面、魚ならば頭が左で尾びれが右にある絵です。 実は、幼児に同じことをさせると違う結果になります。正面から見た絵を描くことが多いのです。自動車はまだしも、魚を真正面から見た表現は、大人の私たちにはなかなか新鮮ですね。でも、実はとても自然なことなのです。人間がモノを認識する時には、モノの顔が重要な役割を果たします。カルフォルニア州立大学で教授を務めたベティー・エドワーズの研究によると10歳くらいになると、モノを記号化して脳の情報処理の負荷を節約する機構が働き始め、特徴的な角度から見た図形として省エネで処理するようになるのだそうです。目に見えるものをすべてそのままの形状で認識していると頭の中での情報処理量が大変になってしまうのです。その結果が「横
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 2007年は、グローバルな自動車産業の潮流が大きく変わる年になる。同時多発的にいくつもの要因が重ね合わさるため、その潮目を正しく読むのは容易ではない。世界の自動車産業が経験する変化を、「8つのシフト」をキーワードに見通してみよう。 ポイント1 トヨタ世界一の後に来る「デジタルシフト」の衝撃 2007年にトヨタ自動車(7203)が米ゼネラル・モーターズ(GM)を抜いて生産台数で世界一になることがほぼ確実だ。ホンダ(7267)についても、北米市場で米フォード・モーターが例年並みのシェア低下を繰り返せば、年内か2008年にはホンダがフォードを追い抜くことになる。日本車勢の好調は、単に石油価格の高騰や小型車ブームに押されたわけではなく、生産性、品質の
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 昨年の11月下旬、知識を見識に変えるためのインド出張に出かけた。筆者は米国ミシガン州デトロイト近郊に住んでいるため、オランダのアムステルダム経由でインドへの入国となった。夜行便でデトロイトからアムステルダムへ、早朝便でアムステルダムを発ち、デリー国際空港に到着したのは夜中の12時近かった。実質フライト時間は約17時間、乗り継ぎ時間を含めれば丸1日を要する長旅となった。あまりにも遠い国だ。 翌朝、取材に行く途中、ハイヤーのドアミラーが倒されたままなのに気がついた。よく見ると周りの車のほとんどが同様にドアミラーを倒して走行している。謎はすぐに解けた。デリー市内の大渋滞だ。 自動車、トラック、バス、バイク、自転車、人、オートリキシャと呼ばれる3輪タ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く