中台関係が緊迫する中、11月26日に、台湾の未来を左右する統一地方選挙が行われた。そこで、蔡英文総統率いる与党・民進党が、歴史的な大敗を喫した。台湾と東アジアは、今後いったいどうなるのか。急遽、台湾に飛んだ現代ビジネスコラムニスト近藤大介が、最新の現地レポートをお送りするーー。 絶頂の瞬間から2年10ヵ月を経て 先週の台北は、「選挙なんてあるの?」と思われるくらい、街は物静かだった。不景気のせいか、ほとんど選挙ポスターなども貼っておらず、街頭演説にも出くわさない。市民に聞いても、とんと無関心。関心があるのは、台湾の政界関係者たちと、マスコミだけのようだ。 それにしても、連日の雨。地球温暖化の影響かもしれないが、台湾がまるで雨季に入ったかのようだ。そのため、日々の選挙取材も、雨との戦いである。いくら傘を差していても、少し歩き回ると全身びしょ濡れになる。 だが一番「泣き濡れた」のは、総統府の奥