「発展途上国の温暖化対策のために日本がすべき貢献は“技術移転”だ」という言葉を、しばしば耳にするようになった。だが、その中身がどういうものなのか、どうあるべきかは、曖昧模糊としている。2007年8月下旬、「環境・エネルギー課題解決のための賢人会議」のために訪ねたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)のパチャウリ議長も、日本の技術への大きな期待を語っていた。その中身は何なのか、インドのトヨタとデンソーで“技術移転”の一部を見ることができた。 インド訪問は今回で4度目と少ないが、1977年、1987年、1997年、そして2007年と、偶然だが10年ごとにインドを見たことなる。1977年は哲学者、梅原猛先生のお供でインドの宗教と思想を学ぶ旅だった。1987年は伝統医学“アーユルヴェーダ”の、1997年は絶滅に瀕するベンガルトラの取材が目的だった。10年ごとの訪問のたびに自動車の急増ぶりと交通事
日経情報ストラテジーがここ数年,継続的に取り上げている話題に「トヨタ流企業改革」がある。トヨタ自動車の工場での改善努力にヒントを得ながら,あらゆる企業のすべての部門で業務改善を進めていこうというものだ。 ここに,IT(情報技術)を組み合わせると,どうなるか。最近,トヨタ流とシステム活用の融合という新たなテーマを探るのに適した事例に出会ったので紹介してみたい。 トヨタ車を販売する地域ディーラーの1つである神奈川トヨタ自動車(横浜市)は2001年から,販売店の営業現場にトヨタ生産方式の改善の考え方を組み込んだ業務改革「BR(ビジネスリボリューション)」に取り組んできた。トヨタ流企業改革の本家であるトヨタ自動車自身から指導を受けて,営業現場を変えようとしているだけに,どの企業にとっても参考になる取り組みが満載だ。 なかでも記者が注目したのが,営業現場における「ジャスト・イン・タイム(JIT)」の
燃料で変わる自動車(後編) 田中太郎、相馬隆宏(日経エコロジー)、高田憲一(日経ものづくり) イラスト/大寺 聡 (前編はこちら、中編はこちらからどうぞ) ホンダが環境技術やパワートレイン(エンジンやモーター、燃料電池などの駆動系)の開発を説明する際、繰り返し示してきたグラフがある。3本の線が描かれたもので、自動車業界では「ホンダの3本線」と呼ばれる(下の図)。シンプルなグラフだが奥が深い。 ホンダは環境・エネルギー面での課題を3つに整理し、課題の大きさが時系列でどう変化するかを示した ホンダは3本線で課題を整理 環境・エネルギー問題に直面している自動車産業の課題を、まず「大気環境」「温暖化」「エネルギー」の3つに分類。その深刻度や影響の大きさを縦軸とし、横軸には時間軸を採っている。そして、現在は排出ガスなどの「大気環境」問題の解決が見えつつあり、温暖化問題が急激に立ち上がって
日経情報ストラテジーが2004年から追いかけ続けている取材テーマの1つがトヨタ流企業改革である。2006年末には、過去3年間に書き溜めてきた事例記事をまとめた集大成のムック「ケースで学ぶトヨタ流企業改革」を発行したのだが、記者には1つだけ「記述が欠けていたな」と反省させられる点があった。 それは、「どうしたら、我が社もトヨタ流企業改革が根付く会社に生まれ変われるのか?」という読者の素直な疑問に対して、その改革を進めていく「手順」という意味での「答え」がムックには明確に記されていなかったことだ。改革の手順については、ムックで詳細に取り上げたイトーヨーカ堂やトヨタ系自動車販売会社、トヨタファイナンス、キヤノンなどの事例記事を通して、読者に推測してもらうしかなかった。そこで、日経情報ストラテジー2007年5月号の総力特集(3月発売)では、トヨタ流企業改革を実践して現場に根付かせていくための手順を
3月16日、トヨタファイナンスが同社の発行するクレジットカード「TS3 CARD(ティーエスキュービック)」の発行枚数が600万人を超え、このうち100万人がQUICPayの有効会員になったと発表した(3月20日の記事参照)。トヨタファイナンスは昨年からQUICPayなどFeliCaクレジット分野に注力。早い段階からFeliCa機能をクレジットカード本体に取り込んだ“一体型カード”がこの分野の普及に重要と判断し、新規・更新ともに一体型カードに切り替える施策をとった。それが奏功し、QUICPay陣営でいち早く会員数100万を突破。FeliCaクレジット全体をみても、ドコモに次ぐ会員を保有することになった。FeliCaクレジットの潜在ユーザーを増やすという点でみれば、一体型カードを発行するという手法は、おサイフケータイに対応アプリをプリインストールする(2006年9月の記事参照)以上に効果があ
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