人件費高騰や米国景気後退などによる影響で、大手グローバルITベンダーのインド進出が本格化する中、インド企業はこれまでの欧米偏重を見直す動きが顕著になってきた。低迷していた日本市場へのテコ入れもその1つ。しかし、日本企業ではオフショアがアウトソーシングの域を出ず、インド企業をうまく使いこなせていないという。 組み込み市場で体制強化 世界トップ10目指すTCS 業界トップのTCSは、創業140年のインド最古で最大の財閥、タタグループの一企業だ。タタ・スチール、タタ・モーターズに次ぐ売り上げ規模を持つTCSは、世界53カ国175拠点で事業を展開し、独自のグローバルネットワークデリバリーモデル(GNDM)で世界中の顧客企業の立地に近い拠点でサービス供給体制を敷く。 「インドのIT産業は、IBMなどのグローバルITベンダーとの熾烈な競争時代を迎えている。今後は北米市場偏重を見直し、日本を始め欧州や南