宮崎県の畜産業を存続の危機にさらした家畜伝染病・口蹄疫(こうていえき)は、県内の「移動・搬出制限区域」が27日にもすべて解除され、終息する見通しだ。ウイルスは県央部ですさまじい猛威を振るい、感染または疑いのある牛や豚などに加え、拡大を防ぐためにワクチンを接種した分を含めると、殺処分された家畜は約29万頭に上る。だが、自治体別では、ウイルスが「飛び火」したえびの市や都城市では速やかに処分を終え、限定的被害で封じ込んだ。中国や韓国でも感染が続く口蹄疫は、いつ再発してもおかしくない。今後の防疫態勢を考えるうえで、2市の対応は参考になるとともに、危機に直面した際の政治と行政の役割の大切さを示した。 ◇2市の迅速・柔軟な対応に学べ なぜ感染は拡大したのか。口蹄疫は、感染力の強さが特徴で、国際的にも恐れられている家畜の病気だ。ウイルスの封じ込めには、一刻も早い家畜の殺処分・埋却が求められる。都農町(つ