■『母乳育児を成功するための10カ条』の問題点 1993年、厚労省がWHO/UNICEFの「母乳育児を成功させるための10カ条」を後援したのを契機に、出生直後の新生児管理は様変わりした。我国の歴史的な「産湯」の習慣は無くなり、生後30分以内のカンガルーケアが当たり前となった。栄養面においても、乳母・もらい乳の慣習も消え、母乳以外の糖水・人工乳を与えない(完全)母乳栄養法が赤ちゃんに優しいと考えられる様になった。ところが、出生直後のカンガルーケアと母乳が満足に出ない生後0~3日間の完全母乳栄養法は、低体温・低血糖・重症黄疸などの合併症を増やし児に不利益である事が分かってきた。 厚労省は母乳哺育の普及を推進しているが、出生直後の新生児にとって大事なことは母乳か人工乳かではなく、低体温やカロリー不足はないか、先ず赤ちゃんの健康状態に目を向けるべきである。医学の進歩によって低出生体重児が元気に育つ