広島市北部の土砂災害が発生した先月20日、市が特定エリアにある携帯電話に災害情報を一斉配信できる「緊急速報メール」で避難指示・勧告の情報を住民に伝えていなかったことがわかった。 市の地域防災計画は、同メールを災害時の情報伝達方法の一つとして明記しているのに、情報発信しておらず、市は経緯を調べる。 同市は2011年6月以降、携帯電話会社3社と同メールについて順次契約した。気象庁の「緊急地震速報」と同様、対象地域にいる人の携帯電話にメールで災害情報などを一斉に送ることができる。担当者が情報を入力すれば、携帯電話会社に依頼しなくても、各区ごとに直接、送信できる。 今回の土砂災害で市は午前4時15分以降、安佐北、安佐南両区に避難勧告を出したが、同メールの入力は行わず、避難情報は住民に送られなかった。市によると、契約後、避難指示・勧告を伝えるために、実際に使ったことはなかったという。