脳卒中の後遺症で長期間まひした手の機能を改善させる手法を、慶応大の里宇明元(りう・めいげん)教授と牛場潤一講師らのチームが開発した。スポーツのイメージトレーニングのように手を動かすことを想像し、脳に刺激を与える訓練を繰り返すことで、筋肉の働きを誘発させた。チームは、新しいリハビリ法になるとみて、実用化を目指した臨床試験に着手した。【西川拓】 国内の脳卒中患者は約150万人と推定され、まひが残る人が多い。現在のリハビリでは、比較的軽度のまひを電気刺激などで回復させる方法がある。しかし、数年間も動かなくなった完全まひの患者では、まひしていない方の手足を鍛えるしかなく、事実上治療を断念している。 チームは、手を動かす際に出る脳波が現れると、手首に装着した電動装具が動くシステムを構築した。 まひした患者の場合、最初は動かすことのできる人と異なる波形になる。そこで、コンピューター画面を通して違いを確