今回のテーマは本を読む前のこと、書籍を手に入れることに関わる話である。 この記事を見ている人は、書籍を買うのに大きく分けて二つの選択肢を持っている。 ひとつはネット書店で購入すること、もうひとつは街のリアル書店で購入することである。 どちらで買っても同じ一冊だが、出版と書店を巡る様々な関係性のために、そのインパクトはネット購入とリアル書店購入で少々違ったものになる。 以下では、推論を交えて、それら関係性の一端を見てみることにしよう。 時間がない人のための要約 ・重版がかかると、作者さんは次回作が出せる ・重版には、在庫数が少ないリアル書店での購入が近道 分散するリアル書店、集中するネット書店 ここで注目すべきリアル書店とネット書店の違いは、リアル書店が各地に分散しているのに対して、ネット書店が少数に集中していることである。 ネット書店は全国に70店程あるが上位7店で1/4のシェアを占める。
11月25日、(有)信山社(通称・岩波ブックセンター信山社)にたいして、東京地方裁判所において破産手続き開始の決定がなされました。 「信山社」の名称は、小社の出資によって1957年に設立された(株)信山社に由来します。(株)信山社は、1959年から小社出版物を専門に販売することを主要な業務とするようになりました。その後、2000年9月に、小社とは資本関係を有しない第三者によって設立された(有)信山社に営業権が譲渡され、従来の小売書店業務も引き継がれましたが、この10月に、二代目オーナーであり、代表取締役会長であった柴田信氏が急逝したことから、事業の継続が困難になったものです。 2000年の発足以来、(有)信山社は、それまでの歴史的経緯をふまえて、小社の刊行物を可能なかぎり店頭に揃えるという営業方針をとり、本の街神保町のなかでも独特の風格を持った書店として、その存在感には大きいものが
岩波ブックセンター信山社が破産し、店は閉店となったことはもう広く取り上げられています。 現状までについては、月曜社・ウラゲツブログでの小林浩さんの記事がきちんとまとめてくれているので、興味のある方読まれることをおすすめします。 ただ、これは単なる一書店の閉店ではないというのが私も含め人文書出版に関わる人間の思いでしょう。 おそらく、日本で一番人文書が売れるであろう神保町という街の中心にあって、しかもあの品揃えをしている書店が継続できないということの重大性。 その重大性というのは、現代日本における(世界的にそうなのかもしれないが)学問や「知」というものに対する冷ややかな視線(「自分には関係ない世界」「興味もない」という感性)の伸長と、「学問なんてものは限られた旧体制エリートの手慰みと考えることがカッコイイ」という訳知り顔の人々がいかに多くなったかという事。 学問することが賞賛され、必要とされ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く