『日本政治思想史 -17~19世紀-』(渡辺浩 著、東京大学出版会)を読み終わりました。これ、素晴らしい本です。 近世初期から近代初期までの思想史概説書ですが、だいたい1章につき思想家1人(ないし1テーマ)を扱っているので、たとえば「荻生徂徠の思想ってこういうことだったのか」とすぐ分かるし、読み進んだ後でも前に戻って確認しやすい。それに何よりも著者の説明の仕方がうまく、ときどき著者の意見というか「ツッコミ」があって教科書的な堅さがないのが素晴らしい。さらに各章が連関してもいるので、思想と社会の変化が有機的に理解できるのです。こういうすぐれた概説書には、なかなかお目にかかれません。 また、思想家の著作からたくさんの史料が引用され、それが思想家の声を聞くようで楽しいのですが、ひとつ残念なのは、史料に付いているルビが少なく読み方が分からないため、肝心の所の意味がとれないという箇所がいくつかありま
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