法人タクシー運転手として抜群の成績を挙げている下田大気(ひろき)さん(35)=東京都武蔵野市=が、ノウハウやエピソードをつづった本を出版した。派手な衣装で知られる直木賞作家、志茂田景樹さん(72)の次男で、自らも金髪。紆余(うよ)曲折を経て就いた仕事だが、「高齢化しているタクシー運転手の仕事の魅力を伝え、若い仲間を増やしたい」と願いを込めた。 (井上幸一) 「タクシーほど気楽な商売はない!」(光文社、千三百六十五円)は、運転手になって知ったタクシー業界の仕組みや客とのやりとりなどが満載だ。ハンドルを握って二年半、日々ノートに書き留めたメモをまとめた。 下田さんは高校卒業後、役者や宝石販売、芸能事務所経営などの仕事をしてきたが、「みな中途半端だった」。日当の支給を受けながら、二種免許を取得できると知り、二〇〇九年十月にタクシー運転手になった。杉並交通に所属する。 遊び歩いて東京の裏道まで熟知