政党の目まぐるしい離合集散が進む中で迎える今回の衆院選。有権者はどんな点を重視して投票先を決めるべきなのか。民主党政権ですっかり評判を落としたマニフェスト(政権公約)だが、野中尚人・学習院大学教授は政党への白紙委任ではない“事前決済型政治”を確立するうえでも、その重要性はより高まっていると説く。 「民主党政権にはがっかり」との声が多いが、そもそも自民党から民主党への政権交代は不可避だったと指摘している。 野中:日本の戦後政治はいわゆる「55年体制」で与党、野党が固定される中、1990年ごろまで、「自民党システム」と呼べる非常に特殊な政治システムがうまく機能していた。 不可避だった政権交代 経済成長を背景に地方などに配る豊富なお金があり、政治が本来やるべき仕事の多くを官僚が担っていた。さらに、外交・安全保障上の深刻な問題にほとんど手を付けることもなく順調に国家運営が回っていく。そんな好循環だ