日本が超高齢化社会へと突入する中、住人たちの「縁づくり」や「役割」を重視したシニア向けの集合住宅が出てきている。例えば、「元そば職人の住人がランチに手打ちそばを振る舞う」「住人向けの起業支援サービスがある」といった集合住宅が実際にあるのだ。もちろん、このようなモデルはまだ少なく、あくまで「兆し」の段階だ。 しかし、今後はこの兆しが主流になる可能性があるという。理由の根底にあるのは、今後シニアの中心となる団塊世代の「住まいに対する意識」だ。その意識が、高齢者の住宅事情に大きな変化をもたらすかもしれない。 住生活と自己啓発へのこだわりが強い団塊世代 第1次ベビーブームの時期に生まれた人々を指す「団塊の世代」。超高齢化社会の中で、今後シニアの中心になるのはこの世代だ。高齢者向けの住宅を考える上でも、団塊世代の人々の志向がポイントとなってくる。