(2013年5月22日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 自分の見方が間違っていればいいのだが、とカイル・バス氏は思っている。ほかの誰もがそう願っているかもしれない。米ダラスに本拠地を構えるヘッジファンド、ヘイマン・キャピタルの創業者である同氏が予想しているのは、世界第3位の経済大国である日本が本格的な金融危機に見舞われるという危険な事態にほかならないからだ。 今年のヘッジファンドの戦略は、日本円を空売りする一方で輸出ブームに沸きそうな日本株を買うというものだが、いわゆる「アベノミクス」――安倍晋三新首相による景気刺激策――には、バス氏が3年前から予言しているストレスの兆候が垣間見えるという。 「日本売り」はずっと失敗してきたが・・・ バス氏は長期にわたって予言し続けているため、陳腐な理屈を振り回す弱気筋にすぎないと見られているかもしれない。実際、日本国債の空売りは過去10年間、「ウィドウ