近年の日本の経済、文化、文明の低迷の原因は、非常に深いところにある可能性が高い。対症療法の付け焼き刃では、この「不調」を脱することはできないだろう。 一つの社会の「オペレーティング・システム」が、ある時代には適応的であり、すぐれたパフォーマンスを発揮することに資しても、「ゲームのルール」が変わった新時代においては、うまく機能しないということはあり得る。インターネットが地球上を覆い、「偶有性のダイナミクス」が避けることのできない「現実」となってしまった現在、日本人のマインドセットが知らず知らずのうちに私たちの自由を縛り、窒息させているのかもしれない。 社会の「オペレーティング・システム」の問題点は、まさにそのまっただ中にいる自分たちには気付きにくいことが多い。「外部」から見れば、議論の余地がないほどに明かなことなのに、本人たちは、社会がさまざまな障害、障壁を作ってしまっていることに自覚的にな