安倍晋三首相が進める農協改革について、影響力の強い農業圧力団体であるJA全中(全国農業協同組合中央会)と、大筋で合意がまとまった。首相は、これにより農業改革に道が開けると主張している。 しかし、首相が譲歩したことにより、その内容は大幅に後退した。真の意味で全中の力を弱めることこそが必要で、真の農業改革には農地使用法を大幅に改めるなどの、追加的措置が必須だ。安倍政権はこのような肝心の段階に踏み込んでいない、と改革論者たちは述べている。 全中はJA傘下の700の農協に対する監査権限を一手に握っているが、「改革」だと胸を張るに値するものになるかは、何よりも、この権限を全中から引きはがせるかにかかっている。この監査権限は、全中が傘下農協を支配下に置くための、最も有力な手段だといわれている。 新設の監査法人が監査機能 ところが、全中の萬歳章会長が2月12日に日本外国特派員協会(FCCJ)で公言したよ
◆貯金や資金貸付などの金融サービスを提供する信用事業を行う農協の数の最近の推移を見ると、減少している。この減少の原因の中には、合併などの再編があったものと推測される。 ◆農協が再編を行う場合にどのような法律が関わってくるのだろうか。再編は大変複雑な行為であるので、多くの法律が関係していると思われる。 ◆ここでは農協同士が合併する場合を前提に、農協の根拠法である農業協同組合法や、協同組織金融機関の優先出資に関する法律といった基本的と思われる主だった法律を掲げ、ごく簡単な解説を加えたい。 ◆また、参考までに再編強化法、農水産業協同組合貯金保険法、金融機能強化法、独占禁止法についても触れることにする。
JA全中=全国農業協同組合中央会は、政府の規制改革会議が、JA全中が法律に基づいて農協の経営指導などを行う今の制度を廃止すべきなどと提言したことを受けて、2日、全国の農協の組合長を集めた会議を東京で開き、今後の対応を協議することにしています。 政府の規制改革会議は先月、地域の農協が独自性を発揮した経営を行えるようにするため、JA全中が法律に基づいて農協の経営指導などを行う今の制度を廃止することを柱とした意見を提示しています。 これを受けてJA全中は2日午後、全国にあるおよそ700の農協の組合長らを集めた会議を東京で開き、今後の対応を協議します。 この中では、規制改革会議の意見について情報を共有するとともに、仮にJA全中を一般社団法人など、組織の在り方を変更した場合には、地域の農協にとってどのような長所、短所があるのかを示したうえで、現場の実態を重視した改革を進めるべきだとする決議をまとめる
農協の「脱農化」問題視=規制改革会議で議論スタート 政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)は29日、農業分野の作業部会を開き、農協の在り方について議論を始めた。会合に出席した有識者は「農協の『脱農化』が進んでいる」などと問題点を指摘。コメの生産調整(減反)見直しなど農業の競争力強化策の検討が政府・与党内で加速する中、農協改革も大きな焦点となってきた。(2013/10/29-20:45) 次の記事へ
「大罪」となじられたり、「戦争」と敵視されたり――。農協と言うと、まるで日本の農業をダメにした張本人かのように批判されることが少なくない。だが高齢化による離農と耕作放棄の増大という危機を前に、変革をさぐる動きもある。躍進する農業法人と手を組むという新しい試みも出始めたのだ。 「本当のことを言うと、農協から早く話が来ないかと期待していた」。中部地方でコメをつくるある農業法人のトップはこう語る。「販売は自由にしていいから、貯蔵施設を使ってほしい」。これが今春、農協から来た提案だった。 仮にこの法人の社長の名前を「稲田」としよう。稲田はいまから約10年前、わずか1ヘクタールの田んぼで稲作を始めた。はじめは農協に頼んでコメを売ってみた。だが値段も売り先も農協にまかせ、あとは放っておくだけの手法では「なんの面白みも感じなかった」。 「自分で売ってみよう」。そう決めた稲田は農協とたもとを分かち、米袋を
就活難が続くなか、学生はさまざまな戦略を練って職探しに奔走している。大手企業の人気は根強いものの、ベンチャー企業や社会起業家を志望する学生も目立つようになった。そんな中、農業協同組合、つまり「農協(JA)」主催のイベントに、就職希望の学生たちの参加が急増しているという。 とはいえ、同イベントスタッフの女性(38)によると、大半のケースで学生側のニーズと農協の組織形態とは相容れないようだ。 「イベントに参加する学生の方は、積極的にスタッフにも相談しにくることが多いですが、そのほとんどが、『農協に就職したい』という相談。ところが、よくよく話を聴くと、『農協には就職したいけれど、農業はやりたくない』、『田舎では生活したくない』という声が多い。 なぜ農業をやりたくないのに農協に入ろうと考えるのか、その理由を聞くと、『ここなら就職口がありそうだから』と本音を漏らします。組織のことを知りもしないで、ど
長らく、日本の農業や地方経済を支えてきた全国農業協同組合中央会。 農協グループ(JA)は種子や肥料、農薬やトラクターなどの農業資材を農家に売り、農家から集荷した作物の販売も請け負う。さらに、大手資本や金融機関が進出しない地域で、農家を相手に資金を貸し出す――。農協が果たしてきた役割は非常に幅広い。だからこそ、農家は農協に任せておけば安心という持ちつ持たれつの関係が構築された。 農協に代わってサービスを始めようにも、金融から販売、流通などすべての機能を代行することは難しい。参入してもビジネスとして成功せずに撤退する企業も少なくなかった。 だが、農協の独占による弊害も出ている。「すべてやってくれるのはありがたいが、いかんせん手数料が高すぎる」。こう漏らすのは岩手県で大規模な生産法人を経営する男性だ。 この男性いわく、今年の大豆の販売価格は1俵当たり7000円だった。ところが、農協を通すと450
[新型コロナ] 逆境越え新たな仲間 コロナ禍で農福連携拡大 北海道 新型コロナウイルス禍を背景に、北海道で農福連携が広がっている。仕事を失った障害者が新たな受け入れ先となった農業現場で活躍。実現には生産者やJAの他、福祉事業所、行政が協力する。コロナ禍の終息後も雇用を継続する機運も高まってきた。(関山大樹、望月悠希) ホテル休業選花で活躍 七飯町にあるJA新はこだての花き共選施設では、パート従業員がカーネーションを規格ごとに手際よく選別していた。「初めての作業で不安はあるけれど、やりがいがある」。函館市在住の鳴海潤さん(24)は、人手不足の共選施設に加わった新たな戦力だ。 鳴海さんは障害者らの自立を目標とする就労継続支援A型の事業を行う函館恵愛会の利用者だ。同会が運営しているクレドホテル函館で清掃などの仕事をしていた。しかし、ホテルはコロナ禍で4月下旬から5月まで休業したため、他の仕事を確
週刊ライス・ビジネス 〔コメ 生産・流通の動向〕米穀業界・米産地への取材で取得した情報をお知らせします。週刊ライス・ビジネスについて詳しいことを知りたい方はプロフィールをクリックしてください。 <週刊ライス・ビジネス編集部 電話042-755-5602 FAX042-776-6047> 「窮すれば通ず」という言葉があるが、これはある程度修行を積んだ者に言えることで、小人(無教養な修行の足りない者)は窮すると往々にして濫(らん)し、取り乱してとんでもない間違いを犯してしまう。 全農は東南アジア向けのコメ輸出を拡大するため、国内で低価格米を生産してコメ輸出量を現在の3倍に伸ばす計画を決めた、と報じられた。 全農はいったい何を考えているのか。海外のコメと価格で競争しても負けるのは明白だ。それに、国内で低価格米を生産するなら、輸出よりもまず低価格米不足にあえいでいる国内の外食業界・加工業界に供給す
「ぽかん」とした農業団体を助ける必要があるのか =福島の小さな農協の「鈍さ」から大きなTPP問題を考える / 記事一覧 ■「放射能との戦い・情報戦」で、なぜ福島は負けているのか 福島の農業団体をめぐり、興味深い体験をした。 「福島の農作物は放射能で危険である」。こうした風説を原発事故以来、流す人々がいる。こうしたデマについて私は義憤を感じている。(私の記事:放射能対策、恐怖克服で2次被害を抑えよ:http://agora-web.jp/archives/1397204.html) そしていくつかのメディアに提案して、福島の農作物の安全性を話す記事を書こうと福島取材の計画を立てた。私は東京在住だ。 読者の皆さん、つまり消費者でもあり、日本国民である人は、福島の農業に対して「助けたい。何かできないか」、そして「福島の農作物は安全か」という二つの問いを持つだろう。ところが、インターネット上
12月末のJA貯金の残高は90兆8533億円。前年同月比で1兆7390億円増えた。伸び率は2.0%。12月は年金の流入や年末キャンペーン効果が要因となって1兆962億円の増加となった。 一方、JA貸出金は残高21兆5686億円。前年同月比で△4196億円、△1.9%。12月は農業資金の償還などで△827億円となった。 JA貯金は1973年(昭和48年)に10兆円に達した。40年間で80兆円増えたことになるが、80兆円を突破したのは2006年(平成18年)。この6年間で10兆円増えたことになる。この間、前年同月比プラスで推移してきた。 農林中央金庫は「農業と暮らしに貢献し、選ばれ成長し続けるJAバンクの実現をめざし、これからも常に利用者の立場に立つ金融機関としてニーズにあったサービスを提供できるよう努めていく」としている。 (関連記事) ・東北3県の漁協に可動式端末機贈呈 農林中央金庫 (
著者(山下一仁氏)は、私の元同僚である。農水省から経済産業研究所に派遣され、市場開放された場合の農業政策を考える役割だった。しかしWTOで農水省が粘り勝ちして米の関税引き下げを阻止したため、彼の研究は宙に浮いてしまい、彼は農水省をやめた。 本書の内容は、農協が農民をいかに食い物にしてきたかを歴史的にたどり、著者の農業政策の改革案を説明するものだ。印象的なのは、農協が戦時統制団体である「農業会」を衣替えしたものだということだ。他の戦時統制団体は解体されが、農業会は食糧難のなかで米の供出を確保するという緊急業務のため、看板をかけかえただけで生き残った。ここでも「戦時体制」はまだ生きているわけだ。 農水省の政策は「農業政策」ではなく「農協政策」だとよくいわれるが、戦前から受け継いだ政治的・経済的な権力を集中し、農業を独占的に支配する農協は、農家を搾取して日本の農業を壊滅させた元凶である。その
農林水産省は8月2日、2024年上半期の農林水産物・食品の輸出額を公表した。輸出実績は対前年比▲1.8%でコロナ禍の2020年上半期以来、4年ぶ...
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