1月20日、米オリエンタル・エコノミスト・アラート代表のリチャード・カッツ氏は、日本経済の構造問題として、産業の新陳代謝の停滞、転職労働者へのセーフティーネット不備、貿易依存度の低さに象徴されるグローバル化の遅れに言及。提供写真(2015年 ロイター)
正月だから、たまには明るい話をしよう。「貿易立国」の幻想にとらわれたアベノミクスはこけたが、原油価格が下がって交易条件が改善したのは朗報だ。これを生かして、資本のグローバル化を進める必要がある。TPPも必要だが、その交渉が行き詰まっている原因は農業などのマージナルな話だ。それより重要なのは、直接投資の推進である。 直接投資というのは、企業買収・合併による長期的な投資である。GEPRでも紹介したように、日本の直接投資は極端に少なく、今もイギリスがトップである。大英帝国が世界を制覇した原因は、この海外投資だったのだ。 それでも海外に生産拠点を移す対外投資はGDPの15.2%あるが、対内投資(海外企業による国内企業の買収)は3.9%と主要国で最低だ。円安で日本の企業は世界から見て大幅に「お買い得」になったので、これを機会に海外資本によるM&Aを進めるべきだ。そのためには(法人減税の交換条件として
小泉純一郎氏が2005年の総選挙で大勝利を収めて自民党内の反対派を黙らせた時、今後は抜本的な構造改革に次々に取り組んでいくのだろうと多くの人が予想した。 ところが、そうした動きはあまり見られず、その1年後に小泉氏は静かに首相の座を降りた。 それから10年近い月日が流れた。14日の選挙では与党が衆議院の大半の議席を獲得し、かつて小泉氏の支援を受けた安倍晋三氏が政権をさらに4年間担う可能性を手にした。 2018年末まで首相の座にとどまることになれば、小泉氏の首相在任期間(5年半)を上回ることになる。 人によってとらえ方が違うアベノミクス また安倍氏は、アベノミクスと称される自身の経済政策――財政・金融両面での景気刺激策に供給サイドの改革を加えたもの――をさらに推進していくと見られる。安倍氏が首相をいつ退任することになっても、その際にはアベノミクスが成功したか否かが必ず問われることになるだろう。
リーマンショック(金融危機)の原因は複合的ですが、個人的には、運用担当者の無責任ルールによる過剰レバレッジが最大の要因だと思っています。 ファンドマネージャー達は、他人の資金を運用する崇高な責任を負いながら、「勝てば富豪、負けてもゼロ」のローリスクハイリターン。 自分の懐がマイナスにならないのなら勝負してしまえ、という強欲心理が過剰レバレッジを産みました。 震源地のアメリカでは、金融機関を規制するボルカールールの原案が公表されて早4年。 当初は2012年7月に施行予定でしたが、2014年7月に延期された今も、具体的な目処は立っていません。 金融危機直後は、アメリカでデ・レバレッジが進みましたが、その代わりを引き受けたのが、当時は財政に余裕があった中国。 4兆元(64兆円)の景気対策を実施して世界の需要不足を救いましたが、その時から増え始めたのがシャドーバンキング。 ムーディーズの調査に依れ
2013年09月17日20:06 カテゴリ大局観、テーマ、見識[edit] 浜田宏一氏講演メモ 今朝のメリルリンチ証券のセミナーで講演された。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 金融政策は効果があるのだ、と浜田・岩田(規)・中川代議士と一緒に安倍首相を説得した。 現状でも、まだ「1.5%」のデフレ・ギャップがあるので、消費税は上げない方が良い。デフレ・ギャップは、過剰設備と過剰雇用から成り立っている。アベノミクス採用以降、デフレ・ギャップは急速に縮小しており、1年後には解消するだろう。デフレ・ギャップがある限り、企業の設備投資は自然には増えない。 金融政策は有効であったと、証明された。現実の経済成長率が潜在成長率以下にあるときは有効であり、インフレを発生させない。成長率が潜在成長率を超えて以降は、インフレが発生するので、緩和政策は縮小すべきだ。 春山の解釈:
黒川清・日本医療政策機構代表理事監修 日本の医療制度は質、アクセス、コストを保証して医療サービスを国民に提供してきた。前回、医療データの共有化によって医療サービスの「質」を上げることができ、しかも「コスト」が下がるという話をしたが、今回は「アクセス」の話をしたい。 いま、医療機関へのアクセスが良いことが、かえって医療サービスの質を押し下げるという現象が起きている。 フリーアクセスがもたらす大病院の混雑 東京・御茶ノ水駅周辺。駅を出ると、いくつもの大学病院が目に入る。東京医科歯科大学医学部附属病院、順天堂大学医学部附属順天堂医院、駿河台日本大学病院など半径1.5キロ以内に10近くの大病院がひしめいている。 それにもかかわらず、こうした大病院の混雑ぶりは相変わらずである。「3時間待ちの3分診療」と言われて久しい。大病院に患者が集中し診察時間が短くなっていることに関連して、これまでもいくつかの問
消費税率の引き上げを法律通り来年4月1日から引き上げるかどうかを決断する時が近づいています。その場合の最大のポイントは消費税率引き上げの景気への影響をどう考えるかです。消費税率が引き上げられれば景気の腰を折るのではないか、もしそうなったらようやく展望が拓けてきたデフレ脱却が遠のいてしまうし、税収も上がらないので税率を引き上げた意味もなくなってしまうのではないか、それくらいならば延期をした方が良いのではないか。これが先延ばし論の議論です。今回は、こうした議論に関連したいくつかの論点について考えてみたいと思います。 【比較の相手はどのような場合か】 まず、消費税率の引き上げの影響を考えるとした場合、どのような場合と比較してそれを計測するのかという論点があります。もちろん消費税率を引き上げない場合になるわけですが、そのとき、財政支出についてはどう考えるかという問題です。 もし財政赤字を拡大させな
田村厚生労働大臣は、閣議のあとの記者会見で、政府の社会保障制度改革国民会議の一部の委員から、消費税率の引き上げが改革の前提となっていることを報告書に明記すべきだという意見が出されたことについて「財源を心配するのは当然だ」と述べ、理解を示しました。 政府の社会保障制度改革国民会議は、来月上旬に報告書をまとめることにしており、29日の会合では、一部の委員から「消費税率を予定通り引き上げるかどうかは政府の判断だが、税率の引き上げが改革の前提となることを明記すべきだ」という意見が出されました。 これについて、田村厚生労働大臣は、記者会見で「子育て支援や医療それに年金などの改革は、社会保障と税の一体改革の中で消費税率を上げることを前提に計画が組まれている。税率の引き上げの判断をする時期が近づく中で、国民会議が財源の心配をするのは当然のことだ」と述べ、理解を示しました。 その一方で、田村大臣は「実際に
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年金問題は、常に政策の焦点の一つだったが、ここに来て、第一段階の正念場を迎えている。年末で大詰めを迎えている税と社会保障の枠組みの中で、明確に政策論争となるのは年金だ。しかし、結局、政府・民主党は踏み込んだ改革案に突っ込むことができず、中途半端な議論に終わりそうだ。 その理由は、民主党が八方美人で、どの支持層からも負担の増加、給付の減少について実質的に譲歩を得られないことが原因と表面的には感じられる。しかし、失敗の本質は別のところにある。それは、年金問題の本質をわかっていないことにある。これは民主党だけでなく、野党もメディアも学者も同じだ。 年金は、日本の政策論争の中で最も重要で難しい論点だと一般に思われているが、それは大きな間違いである。年金問題ほど単純なものはないのだ。 なぜ単純なのに解決できないのか。 それは単純すぎるからである。 制度を変えれば、誰が得をして、誰が損をする。そして、
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