細分化される専門分野 特定分野の領域を超えたコラボレーションの必要性という話は、だいぶ前からさまざまな分野で耳にした経験がある。筆者の修行時代ですら、教育過程を含めてこうした学際性が強調されており、現在に至るまでその威光が衰える気配はない。それはある意味もっともなことである。現在我々が抱える多くの問題が、狭い特定領域では解決できず、多くの分野の知識や技能を必要とし、学際的アプローチへの需要が衰えることがないからである。 とはいえ、そうした需要側の必要に対して、供給側が十分に対応できているかはまた別の話である。現実にそうした学際的コラボレーションの現場をみると、そこには様々な隘路があり、話がいかに容易ではないかを痛感する。そもそも専門家というのは、特定分野についての知見を十分に持ち合わせているからそう呼ばれるが、スミス(A.Smith)の分業論を持ち出すまでもなく、専門分野はどんどん細分化さ
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